寝顔を見てふと思った。
今日この子はどんなものを見て、どんな音や声を聞いて、何を吸収してきたんだろう。
忙しさにかまけて、最近娘の話をゆっくり聞いていない事に気付いた。
帰り道、夕陽に向かっていくと家に着く。
その道中、娘は時々嫌だったことをつぶやく。
仲の良い子と遊べなかった。
突然、友だちに傷つくことを言われた。
私に話すことで心は落ち着くんだろうが、
正直1年生のいざこざは、真意なんて分からないことだらけだから、
モヤモヤっとしている気持ちを、なんとなくカラッとさせるようなことを話して、
終わらせてしまう。
そんなことだけ。
そして夜、布団に眠る娘の寝顔を見て
わが子が今日吸収してきたことを想像してみる。
痛いことも、苦しいこともあったかもしれない。
心がワクワクして、跳ねるような気持ちになったかもしれない。
そして何より、こんなに私から離れるようになったんだなぁと実感する。
帰り道、
嫌だったことを共有したい娘の傍らで、
秋の美しい夕陽に心を動かされたのか、
私だけはしみじみと、そんな話ができるようになったことを嬉しく思う。
手元で大切に守っていた時代から、まさに心で繋がって守る時代へ。
離れた所で何を感じたか聞かせてもらうことが、今の私の、この子の守り方なんだろう。
離れていても、心は、しっかり、太いロープでつながっているね。
心のロープのゆるみと張りで、
子どもの心が読み取れるかもしれないですね。