NHKのドラマで印象的な台詞があった。
朗読教室で絵本が教材となり読み進めていく。
でも、子どもが読むような絵本を使うことに抵抗のあった男性が
物語の結末を知り、余計に納得いかないと怒る。
「現実にはどこにもこんなお人好しの友だちなんかいない。
ガマガエルのもとに永遠に手紙なんか届くわけがないだろう。」
先生の返す言葉に感激した。
「そうかもしれませんね。
現実にはこんな楽しいことちっともないかもしれません。
でもないとわかっていてもそれでも人はどこかにきっとこんな気持ちが、
こんなあたたかな絆があるんじゃないかって考えずにいられないんです。
信じたいんです。人生はそんなに悪くないって。
だから大人にこそこんな本が必要なのかもしれません。
ぽっかりを埋めるのはそんな、一瞬一瞬の積み重ねかもしれませんね。」
そうなんだ。
きっとココロが欲してるんだと思う。
あたたかな世界を想像する幸せを感じたくて。
大人が幸せを感じたらきっと子どもにも伝わるよ。
「ふたりはともだち」アーノルド・ローベル:作 三木 卓:訳
文化出版局 1972年
そうですね。絵本の中に理想を求めてるのかも。
でも、その理想が描けなくなると悲惨なのでは。
絵本は、本来の姿を示してくれますね。
どんな啓発本や哲学よりも。