行ってらっしゃい！

この前スーパーに行って、「あ、息子が好きなチーズだ！」って品物に目が行った瞬間、気づいちゃった。

あれ、もう来週にはあの子は家にいなくて、好きな食べ物買ってあげても渡せないんだって。めちゃくちゃ胸がギュッとした。まだまだ食べ盛り。スーパーにいたら、食べさせてあげたい物があちこちに目がついて、「おかえり〜！今日はどうだった？」ってしばらく聞くこともないのかと思って、また泣きそうになった。子どもを送り出す母っていうのは、こんな気持ちになるんだな。

明日、息子の進学先の入学式と入寮式。彼は12歳で家を離れる。「ここに行きたい！」自分で決めて、そしてちゃんと前を向いている。気分がすぐ崩れたり、手を焼くことも多いけど、シンプルにその決断ができた彼はすごい。

あの子と一緒にいられた日々は、私はジェットコースターのフリーパスを手に入れたお母さんだった。発達特性の影響もあって、色々あったなぁ。ぶつかったなぁ。理解したなぁ。成長させてもらったなぁ。面白かったなぁ。愛おしかったなぁ。どの気持ちも全部あって、毎日がドラマだった。

特にこの春は。

３月の卒業式。卒業直前まで色々あったけど、「いつも励ましてくれて、辛い時は立ち上がらせてくれてありがとう」って笑顔で卒業！親子で一つずつ階段をのぼって行ったね。

北海道旅行　親友たちとの念願の北海道旅行。向こうに越した親友のお母さんが送ってもらった写真を何度もまぶしく、嬉しく見てた。離れ離れだけど、親友といい関係が築けて良かったね。しっかし遊びに夢中で全然連絡してこなかったけどね！（笑）

荷造り＆集荷　大変だ大変だと思いながらも、こうやってお母さんをさせてもらっていることが幸せなんだって思ったよ。

自分のことだから、まず自分が動く。集中がすぐ切れるし、すぐゲームやりたがって、おいおい！ってなった時もあったけど（笑）、どんなことも経験だから。お父さんの段ボールにガムテープ貼る熱血指導もなかなかだったね。最後の最後まで自分でやり切って偉かった！

これから彼が過ごすのは、全ての時間を「生きる学び」にしていく学園。きっと本人もビビッときたんだね。

入学前に学園の先生にお会いした時に、本人が「迷惑かけるかもしれないけど、宜しくお願いします」って言ったら、「迷惑をかけてください」と微笑んで下さった。彼が学びやすいように、尊重して、気持ちを聞いてくれる心の温かい先生方に入学前からすでに感謝でいっぱい。

今まで手を貸してたことを全部1人でやるんだよ。大丈夫かしら。。それでも心配やさみしさとは裏腹、寮生活が楽しく過ごせるようにと思ってるよ。

お母さんの関わり方は変わるけど、お母さんの道はずっとずっと続く。次に会う５月なんてきっとあっという間。これからはここから見守ってる。待ってるね。どんな世界を見に行くんだろう。どんなことを感じて大きくなるんだろう。

親子って似てるのかも。15歳の春にアメリカにある日本の高校に行った私に母がくれた手紙には、こう書いてある。

「大きな空と、たくさんの緑と、広い大地と、おいしい水に育ててもらいなさい。体にだけは気をつけて。かけがえのない時間を楽しんで。心から祈ってます」

一語一句、同じ言葉を息子に送ります。

行ってらっしゃい！