お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お母さんに ほめられたくて

「産んでくれてありがとう」20年前のある日、いきなり電話で言いました。

「どうしたんね?」と母。

「面白いことが見つかった。今度持って帰るけ。おふくろも聴いてくれ」。

後日私は、平面波スピーカーの一枚を実家に持ち帰り、実験して見せました。母のうれしそうな顔は忘れません。

4直3交替サラリーマンだった父は昼に寝ていることも多く、床屋を営む母は客の切れ間に昼飯を流し込む生活。

毎日暗くなるまで外で遊んでいた私ですが、本音はもっと相手をしてもらいたかった…。

3歳の時、カミキリムシが葉を噛み切る音に感動を覚えました。

上京しエンタメ業界に身を置いて半世紀。親の死に目に会えない職業と割り切って仕事に邁進。

子どもが生まれると、田舎から出てきて面倒を見てくれたり、ミカン箱で食料やお菓子を送ってくれたりと、母にはうんと助けられました。

なのに私ときたら、「もう米は自分で買えるけ」と余計な一言。無下にしたことが悔やまれます。

今では私も、出張のたび孫のお菓子やおもちゃを探しては贈る 〝甘々じぃじぃ〟です。

お母さんはふるさとです。小さい頃は安心して眠る所。家を出てからは迷った時に頼る所。晩年は見守る所でしょうか。

共働きが当たり前の今、お母さんの忙しさはいかばかりかと思います。

でも、子どもと向き合う時間を一分一秒でも多くとってあげてほしい。

子どもというものは、発見をした時には一番にお母さんに伝えたくなるものです。