お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お産処 自分のお産を手放さない努力

私には5人の子どもがいますが、流産を4回経験しています。そこからたくさんの葛藤と学びを経て、自然に生まれるのを待とうと思えるようになりました。

出産はいわゆる超安産。私が優れていたのではなく、赤ちゃん自身がそう生まれてきたのです。私がやったことは、赤ちゃんの声を「聴こう」としたこと、自分が感じたことを受け流さなかったことです。

5回目の出産はコロナ禍でしたので、それまでの診療所での出産ではなく自宅出産を選びました。自宅近くに助産師がおらず、プライベート出産を決意しました。ところが臨月を迎えた頃、奄美出身の産婆、山田りえこさんに出会ったのです。彼女は赤ちゃんに導かれて全国を回っている素敵な方。

いざ出産当日。実は前日から私も含め家族全員がコロナに罹患。真夜中、爆睡したみんなに囲まれながらの出産。夫が取り上げて臍の緒の脈が止まるまで、赤ちゃんとつながったまま、私たちも一緒に眠りました。

家族の和の中に自然となじむように生まれてきた命。コロナにかかったおかげで時間に追われることなく、ゆっくりと家族みんなで家族が増えた喜びを味わう時間となりました。赤ちゃんからのギフトだったのかもしれません。

自宅出産は日常生活そのものです。派手さはないけれど、一つひとつを自分で決めていく地道な時間。母だから感じること、湧き上がる想い、それはきっと赤ちゃんからのメッセージだと思えます。

自分のお産を手放さず、諦めず。私は納得のいく、健やかで幸せなお産をすることができました。

産婦・山﨑さとみ

よーりよーり助産院(山田りえこ)