お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

もう一度

わが家では、長女が生まれるより先に犬を飼い始めました。

里帰り出産したとき、一緒に実家に連れて行ったのですが、
私が退院して帰宅すると、
すっかりうちの父親に媚を売り、ちゃっかり父の膝の上という特等席を占領し、
私が頑なに人間の食べ物はあげないと決めて育ててきたにも関わらず、
父からチーズやスルメなど、酒のつまみをもらう術をしっかり得ていました。

その後も、弟が増える度に実家には、わが家以上に犬グッズが増え、しまいには部屋のドアに犬が出入りできる小さな小窓までつくってもらっていました。

そういえば、いちばん厄介だったのは、耳がいいところです。
インターホンの音がカチっとなった瞬間にサイレンのように
「キャンキャンキャン…!!」と吠えまくる。
子どもが寝た直後に郵便屋さんがうちに来るのは嫌がらせにしか思えず、
あれほど腹の立つことはなかったです。

13年間生きてくれたその子は、どんなときもワガママできょうだいの中で一番偉そうでしたし、一番にご飯をあげないとめちゃくちゃ暴れました。
とにかく手がかかりました。

仕事終わりに3人の子どもを学童やら保育園やらに迎えに行って、やっとこ帰宅したと思ったら、トイレはぐちゃぐちゃ、隠していた食べ物を漁った跡や、紙やビニルやとにかく生息範囲内でできる悪さをしていたときは、お腹の空いた子どもそっちのけで、犬を怒鳴り散らしながら掃除をしました。
(子どもたちは、またかよ、と空気を読み、静かにNHKの子ども番組を見たりして過ごしてくれていました…)

あんなに大変だったのに、けっこう我慢したこともあったのに、もう飼わないの?って、言う子どもたち。
彼らの記憶の中には、生まれたときから一緒にいてくれたあの子の温もりがあるんだなと感じます。

「もう飼わないよ」。

そう言い続けてはいるものの、もう一度あの子の頭を撫でたいなぁと思い出しています。

13年も一緒にいたのに、4人一緒に撮った写真は、たったのこれ一枚。
長男はブレてるし、長女はあっち向いてるし、次男はしかめ面(笑)
犬だけおすまししている…。