かおりは夜中にスマホを片手に
SNSを眺めていた。
他人の投稿、踊る文字に、賑やかな動画
溶けていく時間。
すぐ向こうの、シンクの汚れた皿は見ないふり。
台所の灯りは画面を見るためにあるのか。
そうじゃないよね、と突っ込みながら
かおりはまだ画面を見てた。
何かを見ないようにするため
何かに気づかないようにするため
画面をみてた。
でもやっぱりこのままじゃいかん、と
画面の灯りは消したけど、
押し寄せてきた静けさに
どこか寂しく悲しくなった。
午前1時30分の台所の隅にて。
え
ポエムじゃないって?!