応神天皇の皇子・菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)が312年に薨御(こうぎょ)、その後、宇治神社の御祭神となられ、当神社の歴史が始まったのが仁徳天皇元年癸酉(313年)のこと。
世界文化遺産で有名な宇治上神社は当神社から分離独立したものであり、平安時代後期に極楽浄土を再現したといわれるきらびやかな平等院鳳凰堂ができていく様をずっと対岸から眺めていたものと思われます。
学業成就・受験試験合格の神様であり、土地の神様・氏神様として、古来より地域の方には親しんでいただいています。
御祭神がこの地に向かわれる途中で道に迷われた時、一羽の兎が何度も振り返りながら道案内をしたという故事により、正しい道へと導く「神使のみかえり兎」が崇められています。
また、兎は安産・多産、安産祈願として「戌の日」だけでなく「卯の日」に来られる方も多いのです。
5月の神幸祭、6月の還幸祭は氏子の皆様のおかげで続いてきた神事。町の安全を願う春と秋の御千度詣は氏子さんたちから自然発生したお詣りの仕方が浸透しています。
生まれ育つ土地の神様に感謝するという意識、なくすのは簡単ですが続けることは難しい。成人を迎えた人たちが家族や友人たちと晴れ姿で神様に報告に来てくれます。
子ども(中2息子・年中娘)が小さかった頃、「かみさまはどこにいるの?」と聞かれ、「神様は自分の心の中にいる。怒ったり泣いたりしていると言うこと聞いてくれへんから、笑顔で神様に会いに行こうね」と答えてきました。
神社は心が落ち着く空間です。親子で兎の絵馬に顔を描いたり、願掛けで「うさぎさん巡り」をしたり、楽しんでください。
七五三などの際、「晴れ着を着てご祈祷を受ける姿は立派でした。お子さんをしっかりほめてあげてください」と親御さんにお伝えしています。子どもの成長への感謝や喜びを実感するとともに、今一度大切な存在と知る機会になればと思います。
(取材/宇賀佐智子)
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