お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

一般社団法人お母さん大学福岡支局設立 イベントに寄せて「子育ての価値を日本中に伝えよう!」

一般社団法人お母さん大学福岡支局設立
イベントに寄せて子育ての価値を日本中に伝えよう!

「子育ては大事業。日本の未来をつくるのは政治家や社長たちじゃないよ。お母さんたちなんだよ」藤本裕子(お母さん業界新聞編集長兼お母さん大学学長)の言葉にふれ、何がなんだかよくわからないままペンを持ち、発信を始めました。すると、あんなに「お母さん」から逃げ出したかった私が、お母さん業の楽しさにハマり、「お母さんはスゴイ!」を伝える人になっていました。気づかせてくれたのは子どもたち、支えてくれたのは地域の仲間や応援してくれる皆さんです。14年間の感謝を込めて、次のステージへと歩みを進めたいと思います。

行政や企業の力も借りて

「子育てしやすい町は自分たちでつくれるんだよ」と、代表の藤本裕子に言われ、活動を開始して14年。子どもは高2の長女を筆頭に長男中3、次女小5になりました。

おかげさまで、久留米市ではたくさんの方々とつながり、毎月8000部の「お母さん業界新聞」を配布。築45年のアパート(松葉荘)の一室を拠点に、活動に賛同する協力企業や病院とも連携し、月一でオンライン会議を実施。現状と課題を共有しながら、孤立した子育てをなくし、お母さんの笑顔を広げる取り組みを行っています。

新聞は、お母さん一人ひとりの手から手へ配られるほか保育園や幼稚園、久留米市の赤ちゃん訪問や子育て支援センターで配布。また企業を介して社員やお客様へと届けられています。

お母さんを笑顔にする新聞

新聞を手にしたお母さんたちに聞くと、家ではゆっくり読めないからと、会社の休憩室で読んだり、子どもを寝かせた後に開いたり…。今この時間も、自分と同じような思いで子育てをしているお母さんがいることを感じ、ホッと一息つくのだそう。

「読みました!」「元気が出ました!」と連絡がくるのは稀ですが、確実にお母さんたちの心の中にあたたかいものが流れていると実感しています。というのも最近では「保育園時代、幼稚園時代にこの新聞を手にして読んでいた」というお母さんから声をかけられることが増えてきました。新聞に助けられた、勇気をもらった、新聞が励みだった、新聞を楽しみにしていた…と。子育て真っ最中の頃は忙しくて、いっぱいいっぱいで連絡できなかったけれど、ようやく今、少し手が離れたからと声をかけてくれるのです。

子育ては未来を育む大事業。一足飛びにはいきません。私たちが大人になるのに時間がかかったように、結果が出るまでには長い時間が必要なのだと、この活動を続けてきたことに意義を感じています。

高校生から見たお母さん

先日、通信制高校のN高生徒が「『高校生から見たお母さんをアップデートする』というテーマで動画撮影をさせてほしい」と、私たちの元へ来てくれました。

授業で「少子化」について話し合ったところ、「子育てはお金がかかって大変だから、国からお金を出してもらわないと」という話にしかならなかった。でも「何か違うのでは?」と感じたのをきっかけに私たちの話を聞き、活動の様子を撮影してくれた彼ら。ショートムービーを制作し、札幌国際短編映画祭のMicro Docs U18 最優秀賞を受賞したのです。

取材中、いろんなお母さんの話を聞いて、涙を流す子もいれば、「お母さんたちは楽しみ方を知らないんだ」と気づいた子、「お母さんて面倒だし、ストレス発散で(ぼくを)怒っていると思っていたけど違うんだとわかった」と話した子もいました。

子育ての喜びを伝えたい

これは大人の責任ではないでしょうか? 子どもを産まない選択をする人が増えています。メディアもSNSも「子育ては大変」という情報ばかり。仕方ない面もありますが、それ以上に子どもを育てる喜びや楽しみ、幸せな気持ちをクローズアップしないことが少子化の原因の一つではないかと感じています。

当然、子どもたちの自己肯定感の低下にもつながっています。「子育ては未来をつくる仕事だから、大変だよ。でもそれ以上にいいことがたくさんあるよ。あなたたちが生まれてきてくれて、私たちは本当に幸せ」と、お母さん自身が伝えていくことが重要です。

地域でつながることの大切さ

私には、たくさんの仲間がいます。困ったことがあればいつでも話を聞いてくれる、必要な人をつないでくれる友だちがいます。14年かかってできた地域のつながりが、こんなにも社会は、人はあたたかいのだと私に教えてくれ、家族全員の安心感となっています。

結婚して長女が生まれ、誰一人知り合いもいない久留米市に引っ越してきて、お母さん業から逃げ出したくて仕方なかった私でしたが、本当に今、ここに来てよかったと感じています。
しかし、中には孤立が原因で心を壊し、久留米を離れてしまったお母さんもいます。

自分で母力を上げよう

つながりをつくろう、お母さんたちの負担を減らそうと、行政も民間も動いてくださっていることはありがたいことです。でもあれもこれもとおやつを与えすぎて、これはいらない、あれは違うとわがままになる子どもと同じ。(行政や会社は)「何にもしてくれない」と不満ばかりの社会になってはいないでしょうか?

支援ありきの社会では、皆疲弊していくばかりです。子育て中だからこそつながる人、見えてくる世界があり、それこそが未来をつくっているのだと伝えていくことが大切で、お母さん自身が母力を上げること。社会がお母さん力をエンパワメントしていくことこそが、必要なこと。なぜって、お母さんはスゴイ!のですから。

お母さん大学ちっご(福岡)の歩み

2013/7/28
乾杯イベント開催
「お母さんが夢に乾杯する日」

2013/11/1
子育て講演会
「百万母力ドリーム」開催

2014/3/15
絵本イベント
「絵本deお母さん
スイッチオン」開催

2013/9~2017/3
西日本新聞筑後版
ママコラムにも
毎週火曜日連載

2014/5/24
お母さん力アップセミナー開催

2014/7/25
お母さんの夢に乾杯
お母さんのための1日ビアガーデン開催

2015/3
「ちっご版」創刊!

「折々おしゃべり会」

2017/9/15
「一日お母さん大学
福岡」in全労災

2017/11/29
久留米大学生350人に講義

月に1回、はじめての
「森のようちえんin久留米」開催

2018/9/21
久留米市の生涯学習センター
「子育てカレッジ」講師

2018/6~2022
産前・産後うつプロジェクト

2019/3
ちっご版4周年イベント
「子どもへのまなざし展」開催

2018/12/30
年忘れイベント
「お母さん大学の機能とは?」

2019/5/27
「わたし」らしく子育てを
楽しむためのMJ講座

2019/12/4
お母さん大学×企業×自治体
お母さんの笑顔をつなぐ
「百万母力協働プロジェクト」説明会

2020/10~
松葉荘にて居場所づくりスタート

2022~ 久留米市の保健師
赤ちゃん訪問にてお母さん業界新聞配布スタート

2023 町は学校プロジェクト

2024/3~
休眠預金等活用事業
「困難を抱える家庭を取り残さない仕組みづくり」

2024/7~「HELLO♥KURUME」
転入者のためのつながりづくりをスタート

2024/11/25
一般社団法人お母さん大学福岡支局設立