昨年、特集「日本人として、母として、次世代へつなぐ大切なこと」から始まった
「子育て×神社・お寺プロジェクト」。お母さんにとって神社はどんな存在なのか、
お母さん記者が神社に行って体感してみよう!と、11の神社を取材した。
神社は母とともに生き続ける
子どもが元気に育つことが難しかった昔、神様にすがり祈った母の姿を想像する。人間の寿命は延びたが、命を脅かすさまざまな危険に囲まれる中で、子どもの成長を祝い、幸せに子育てできる感謝を報告に行きたくなるのは本能からか。お宮参り、七五三…子育てにまつわる神事は、今や華やかなセレモニーとなった。
神社が身近で、神様に手を合わせることを、親から自然に学んできた子どももいれば、無縁のまま育っている子どももいる。ふらっと遊びに来る子どもや観光目的の若者たちへ、神様への向き合い方を根気よく教える神社もあった。
木や植物、土がある神社はそもそもが神聖で安全な場所。木の葉が眩しい光を柔らかにし、ひんやり澄んだ空気や自然の匂いを感じる。それは自然の恩恵だけでなく、神社を守る人がいるから。目・耳・鼻・肌、そして心でも感じられるよう、わが身の感覚を磨いていこう。
神社には謂れや歴史など物語がある。歴史好きの人、信仰する人、何よりそこに暮らす人々が生活の一部として訪れることが一番のエネルギーになる。
「歴史とか難しいことはわからんけど、ここに来たらなんか気持ちいい」そう感じることができる子どもたちを育てる、いや、お母さん自身がそうしている様子を見せることが、子どもを授けていただいた神様への恩返しになるのかもしれない。
携わる人や訪れる人の思いでできている神社。それゆえ単なる建造物ではなく、生き続けていくもの、母が生かしていくものといえるのである。
1年間の神社取材を終えて
神社取材が始まり、さてどこへ行こうかと考えた。観光地にあるところ、おしゃれなホームページがあるところ、地元のひっそりしたところ。関西を中心に、神奈川、愛知、福岡と手分けして、情報交換をしながら取材に臨んだ。
お母さん記者(МJ)として取材デビューした山本有希と薄祥子は、緊張しながらもたくさん得たものがあったと言う。
手水舎で手や口を清めてから、いざ! 社務所や、時にはご祈祷を受ける本殿の隣の部屋でインタビュー。どこからか神様に見られているようでそわそわした。神職というのはこうした気持ちで日々励んでいるのだろうか。
全国にたくさん神社があるが、一つとして同じものはない。地域も人も空気も違う。根本の考えは同じでも長い時間をかけて、独自のカタチをつくりあげてきたのだろう。私たちお母さんが、子育てをしながら家族をつくっていくのと同じかもしれない。
(МJ・宇賀佐智子)
当たり前に神社を巡る母の願いはただ一つ
神社巡りが好きだ。建造物の素晴らしさやその土地ならではの歴史にももちろん興味はあるが、神社に行けば御朱印をいただき、お守りを選ぶ。おみくじを引いて運試し。願掛けは絵馬に。一通りのミッションをクリアしてこそ、ご利益があるぞと満足する私。
先日も神社の奥の森の中の池へ。コインを浮かべワクワクした。事前に調べていたから、どういうものか知っていてもだ。神社で体験できること、すべてはその時代に生まれたアクティビティだなと思う。まるでRPGゲームのよう。達成感と楽しみを感じる上に、神様はきっと願い事を叶えてくれる。
娘が3歳の頃、七五三で神社へ。宮司さんが祈祷をしている最中に「神様いないねぇ!」と大きな声で言ったのを思い出した。周囲を気にした私は「神様は目に見えないんだよ、心の中にいるんだよ」と慌てて言った。目に見えないものがどうして守ってくれるんだろう。娘はきっとそう思ったに違いない。でも今の私にははっきりと言える。この子の笑顔を守っているのは私の想い、母の願いだ。
健康に育ってくれた娘と一緒に神社へ行くことも増えた。あの時の神様が導いてくれているのかもしれない。
(MJ・植地宏美)
お母さんを幸せにする「母力(ぼりき)神社」
2年前、横浜のみなとみらいに密かに誕生した
「母力神社」。お母さん業界新聞社がお母さんを笑顔にしてきたさまざまなご利益(ノウハウ)がここにある。子育てがうまくいかず、自分はお母さんに向いていないと涙をこぼしたお母さんが、ペンを持ち一歩踏み出したらあっという間に3人の子を育てるお母さんになったこと。子どもが不登校になり、心が押し潰されそうになっていたお母さんが仲間と繋がり、いつの間にか子どもの居場所をつくったこと。ここに来れば、いろいろなお母さんがいて、ありのままの自分でいいとホッとする場所。「ワーホプレイスとらんたん」(横浜市西区みなとみらい2-1-1 日本丸メモリアルパークタワー棟A-4)は、悩みを宝物に変えるお母さんのパワースポット。さまざまな神社との出会いを経て2025年、お母さんが笑顔になる「子育てと神社の物語」がスタートする。
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