お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

名前

〝美緒〟

娘の名前である。

私にとって初めてのこども。不妊治療や切迫早産を乗り越えて産まれてきてくれた彼女へ、この名前は私からの最初のプレゼントとなった。

ちゃんと由来もある。

情緒豊かで心の美しい子になりますように。いつか、ママのもとを離れて旅立っていったとしても…ママ(里美)はあなた(美緒)と、心の中で繋がっているよ。お腹の中の臍の〝緒〟で繋がっていたように。

名は体を表すと言うが、本当に彼女は情緒豊かで感性のある、心のきれいな子だった。

産まれたばかりの小さな美緒は、本当に育てにくい子でもあった。私は、多分何百、何千人と〝赤ちゃん〟をケアしてきたのだが、育児しながら違和感を感じていた。

当時は、彼女が早産低出生体重児だから。と思い、それ以上考えることはなかった。

しかし、それは序章にしか過ぎず、保育園はほぼ泣きながら登園、先生達からもお手上げと言われ…小学生になると行き渋りが始まり、子育てってこんなにハードモード?と思っていたら、友達の子どもはそんなことはない。と言うのだ。

あまりにもハテナなことが多すぎて、私の主治医である精神科医に、最近の美緒について相談したところ「特性がありそうだよ?受診してみた方がいいかもね?」と言われた。

その言葉に、なんだかすごくホッとしたのである。

「そっか。そっかぁ。」と。

産まれた時に心の隅で抱いた、ほんの少しの違和感…その答え合わせが始まるんだ。彼女が少しでも生きやすくなるように、困り感が減るように、ただそれだけを思い、受診予約を入れた。

パパに相談しても、返事は返ってこない。何か診断がついても、多分何も言わないだろう。

どんな結果でも美緒は美緒。

かわいいあの子のママは私。

それだけは絶対変わらないのだ。

明るいだけの未来ではないだろう。しかし、一緒に伴走しながら生きていこう。

そう風邪っぴきのお布団の中で思う、私なのであった。