お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

同じ目線でいること

私は看護学校の教員だ。

先週、副担任をしていた学生達が卒業した。私は心身の不調のため休職中であり、卒業式にも出ることが叶わなかった。学生達には本当に申し訳ないことをした。

そんな中、学年のリーダー的存在の学生が、渡したいものがある。と連絡してきた。

先程、なんだろうと思いながら、指定された場所に行くと、色紙とプレゼントをくれた。帰ってから読んで!と言うもんだから、すぐに帰宅して開いてみた。

すると、約60人が一人一人自分の似顔絵と、私へのメッセージをかいてくれていた。よーく見てみると、

「先生大好き」
「尊敬してる」
「優しいかわいい」
「また会える?」
「ありがとう」
「ガチすき!」
「神!」

一人一人が自分の言葉でメッセージをくれている。文や絵の一つ一つに個性が溢れていて、「この子らしいなー」と泣き笑いしながら読ませてもらった。

学生と私。2年間、ずっと一緒に過ごしてきて、あの子達が笑顔の時は一緒に笑い、怒り狂っている時は一緒に怒り、涙の時は背中をさすり…

私は〝人〟である彼ら達と同じ目線で物事を考えよう。先生対学生、みたいな上下関係でなく、人と人として向き合っていこうと努めてきた。もちろん、いけない。と思った時は真剣に話し合ってもきた。

なんだかみんな私に懐いてくれたもんだから、甘やかさないで!と周りの先生からはちょっぴり叱られたこともあり、悩んだこともあったのだが…自分のスタンスを貫いてきた。

19歳そこらの彼らは、まだまだ発達途中。自分とは何か?生きるとは何か?ということに向き合って、苦しい時も多いのである。そんな時に、同じ目線で向き合う大人がいたら、きっと救われやしないか。私はそう思ったのだ。

書いていて思ったのだが、これは子育ても同じことが言えそうではないか。

たまにこどもと同じ目線に立って、見える景色を眺めてみると、もしかしてこどもの心が見えてくるのかもしれない。

私はもうすぐ、先生ではなくなり、こども達の看護師さんに戻る。

しかし、学校で過ごしたこの2年を。学生からもらった学びを。ずっと忘れずに歩いて行こうと思っている。