お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

【卒母・特集⑦】卒母から新米オババへと太いパイプが

35年前の暑い夏の日、「私じゃなく、産むのはあなたよ!はい今、がんばって~!」。産院に助産師さんの声が響きわたり、間もなくして小さな女の子の大きな泣き声。

産み方がわからなかった、いきみ方が本気じゃなかった。そんな初産から3年おきに次女、三女と授かった。

仕事をしながら一喜一憂、ヘトヘトの毎日、それでも楽しくてがむしゃらだった日々が懐かしい。

小さな小学校へ通わせたくて家族で山に引越し、「逞しく生きる力&自由な発想を大切にする」の2本立てで、自然の中でのびのび育ててみた。

あれから35年。育てた通り、いやそれ以上に、自由に逞しくなってしまった。想定外は子育ての醍醐味としましょ。

家族って何だろう。いろんなことが起きるけど、楽しいことは案外忘れちゃう。それより問題が起きたとき、一見バラバラに見える家族がここぞとばかり一致団結し愛で乗り切る。そのたびに母として育つ自分に気づく。

光陰矢の如し。緑の牧草地の地平線を見ながら卒母なんて遠い未来と思っていたのが、今じゃ見えない太いパイプでつながっている実感。

娘たちに転ばないようにと心配されるようになり、そろそろ卒母かなぁと肩を落とし気味だったが、私たち夫婦に天使のような孫がやってきた! ヤバイです。突然親になったときのようにキラキラと輝き新米ジジババは再び初々しく変身しました。さあ足腰鍛えなきゃ!

(泉田美江)

(お母さん業界新聞1712/特集 卒母)