お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

100年先もこの山里に子どもたちの元気な声が響いていますように

浜松市春野町に移住して10年。有機・無農薬のお茶づくり、
そして、できる限りのエネルギーと食料の自給に、日々奮闘しています。

中学生の頃、環境問題にショックを受け、せめて自分自身は加担しない暮らしをしたいと願ったことが、今の暮らしの原点です。

大学で出会った夫は、当初、就農など夢にも思わないタイプの人でしたが、気づけば農作業はもちろん、
山仕事、狩猟、大工など、何でもこなす田舎暮らしのエキスパートに。

自然相手の自営業はやることが無限で多忙ですが、家族で助け合い、充実した日々を楽しんでいます。

この暮らしを選んでよかったことの一つは、「仕事か育児か」の選択を迫られずに済んだことです。

町に保育園はありませんが、お茶詰めなどの軽作業はおんぶをしながら、家の隣の菜園の仕事は子どもが寝た隙にこなし、
お茶刈りの機械を持つときは、近所の人か、しっかり者の長男に下の2人を託します。

3人の子どもに囲まれる日々が永遠に終わってほしくないので、子どもたちにはよく「これ以上大きくなっちゃダメ」と言っています。

それほどに子育ては楽しくて魅力的です。しかし、もし、自分一人で子どもと向き合うだけの日々だったらそう思えたかどうか。

夫や近所の人たちの支えがあって、私は育児と仕事の両立ができています。そのことに心底感謝しています。

切実な問題は過疎化です。10年後も100年後も、この山里に子どもたちの元気な声が響いているように、自分たちにできることをがんばりたい。

そして持続可能な社会、美しい自然を子どもたちに残していきたい、そう願っています。

PHOTO/家族写真家・佐々木運真

(お母さん業界新聞 静岡版201809/日日是母日コーナー)