お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

御足労いただき、ありがとうございます

私には84歳のライン友達がいます。
正確には「いました」。

同じマンションに住む1階のMさん。

子どもたちがベランダから1階のMさん宅の庭へオモチャや洗濯物を落としてしまい、
「すいません」と取りに行ったことがご縁で、何かと顔をあわせると話をするようになりました。

ラインをされていると知り、交換してからは
「ちょっとよってください」とラインがくるので、
玄関先へいくと「いただきもので、うちでは食べきれないから」と
ドサッとお菓子を私の手に乗せてくれ、
またラインで「わざわざお忙しい中ご足労いただき、ありがとうございました」と
丁寧に返事まで頂いてました。

時には「料理を食べきれないから」と煮物をわけてくださったことも。

私もお返しにとぜんざいを持って行ったり

足が悪くて薬を取りに行けないと話すので、
末っ子と私で、病院まで薬をもらいに行ったこともありました。

選挙のときには、会場まで車でご一緒したことも。

いつもニコニコしながら、少ししゃがれた声で
「足腰が悪いけん、もうどんこんいかん(どうにもならない)。すいませんね」
「年を取るとあわれなもんですよ」と言われていましたが、

ご高齢のイメージは私にはあまりなく、
いつも筋が一本通ったような、凛とした感じがありました。

そのMさんが、昨日お亡くなりになり、家族でお通夜に行ってきました。

体調を崩しても、なかなか病院に行かず、
ようやく行ったときには、癌が全身に転移し、余命半年と言われ、入院して一月。
急に昨日の朝、亡くなられたということでした。

「胃・肝臓に癌らしきものが見えると言われた、またの機会に来てください」と
やり取りをしてから、この一月やりとりをしていなかったことに今更ながら気づきました。

ご家族の方にご挨拶をして、
これまでのことをお話しすると、
「そんなこと(私たちとお付き合いがあること)ぜんぜん知らなかった」と
驚かれながらも、ご霊前に足を運んだことを喜んでくれましたが、

体調が悪いことをラインでやりとりしながらも
この一月何もしていなかったこと
お見舞いにも行けなかったことが悔やまれます。

大好きだったMさん。
もっともっといろんな話をしたかった。

このマンションに引っ越してこなければ出会えなかった

子どもたちがオモチャを落とさなければ、
すれ違っても挨拶程度しかしなかったかもしれない

これまでどんな人生を歩んでこられたのか
もっと聞いておけばよかった。

もっともっと子どもたちと遊びに行けばよかった。

遠慮せずに、一緒にご飯でもとお誘いしたらよかった。

84歳だったこともお通夜ではじめて知りました。

私は42歳、ちょうど半分。

お子さんよりも年齢が下の私にも丁寧に誠実に接してくれたこと

いつも気にかけてくれていたこと、忘れません。

きっとMさんのことだから、今もニコニコしながら
「わざわざ御足労いただき、ありがとうございます」
と言ってくれているような気もします。

 

 

 

 

 

9件のコメント

なんて温かな。
お見舞い行けたら、よかったですね。
でも、そう後悔の気持ちになるほどの関係となっていたことが、素晴らしいと思います。

池田さん、
私も近所中の方と、ライン友達になるわ!

池田さん、温かな記事ですね。
朝から涙です。素敵な関係を築かれて見えたんですね。
理想のご近所付き合いです☆

ご縁って、本当に不思議なものですよね。そして、年齢や状態に関わらず、池田さんのように、人が人として、ありのままで繋がっていく、そんな世の中にしたいと感じている今日この頃。
池田さんの記事を読んで、改めて強く感じました。

年下だからとか、そういう目線ではなく
いつも尊重してもらいながらだったことが
いい関係を築けた一番の要因な気がします。

改めて、これまでのラインを読みながら、
そう感じました(*^^*)

迷惑をかけたことから、つながりましたね。
その方にとっても、池田さんや、池田さんの子どもたちとつながったことが
うれしかったと思います。

いいご縁をいただきましたね。

そんなことが、池田さんの子どもたちの心にも生きています。

ステキな記事を、ありがとう!

朝から涙がでました。
ステキな出会い。
こどもたちが繋いでくれたご縁ですね。
私も近所に似たように助けてくれるオバチャン達がいます。
みんな70代。おばあちゃんですが、元気モリモリです。
いつかそんな日が来るのか…と思うとさみしいですが、
今できるやり取りを大切にしようと改めて思いました。
素敵な記事ありがとうございます。

絵本で「マロンおばさん」が有ります。 私の大好きな本の一つです。
若い頃は家族や友だち親類やご近所さんと人間関係も豊かですが、年と共に家族や親族が減り お友だちやご近所関係も疎くなってきます。 そんな時 身近な方の何気ない会話は、とても楽しいひと時でしょう。
「歳をとると哀れなものですよ」と少し嘆いてはみたものの 池田家の後家族の様子に励まされ楽しんで居られた事でしょう。
私も そんな静かな日々を過ごす事が夢です。 出逢いと別れがあって人は成長します。
お亡くなられた方にとって 池田さんとの出逢いは豊かな生活に華を添えてくださったのでしょう。
子供たちが歩くのは来た路、お年寄りの姿はこれから行く路。 お互いの出会いを大切にしたいですね。
良いお話をありがとうございました。

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ABOUT US
池田彩お母さん大学福岡支局長
お母さん大学福岡(ちっご)支局長/元お母さん業界新聞ちっご版編集長。長女が1歳の頃にお母さん大学に出会いマザージャーナリストに。ペンを持ったことで視点が変化し、「お母さんになれてよかった!」と心から感じる。久留米で活動をスタートして13年。現在は、久留米市合川町の「松葉荘」で居場所づくりをしながら、九州中のお母さんにお母さん業界新聞を届けようと奮闘中。3児(中3、小6、小2)の母/MJプロ/みそまるマスター/みそソムリエ