20年前、厚労省は「育児をしない男を、父とは呼ばない」という広告を出したことがあったが、今は、小泉進次郎環境相の育休発言が話題になっている。
わが国の男性の育休取得率は6・16%。国は、2020年までに13%にする目標を掲げ、今後、有名無実の企業にはペナルティも課せられるという。
育休を義務化しなければならない社会って何?
いまだに子育てはネガティブな領域。母親のシゴトというイメージが根強くあることが問われている。
だが、生まれたばかりの子どもに、お母さんとお父さんとどっちがいい?と聞いたら、間違いなく、お母さんに軍配が上がる。
当然といえば当然のこと。十月十日(とつきとおか)も母の胎内にいるのだから、母とは一心同体。子どもにとってお母さんは、唯一無二の存在であることは紛れもない事実。
選ばれた母は幸せなはずだが、現実はそうとも限らない。母であることに苦しみ、母であることから逃れたいと願う人もいる。
企業の育休制度が広がらないのは、仕事上、育児はマイナスであると、企業側が認識していることに起因する。
そもそも育休は「休み」ではなく、子育てという「シゴト」をする時間。そこにどれほどの学びがあるかは、考えたらわかる。
育児を経験すれば、どんなに忙しくても、どんなに大変な仕事にも、責任を持って取り組み、段取りよくこなすことだろう。
ただ泣く子を前に、お腹が空いているのか、どこかが痛いのかもわからず途方に暮れる…。幾度となくそんな経験をして想像力を養い、子どもからたくさんの愛をもらって慈悲の心を育てる。そしてもう一つ、地域とつながるという大きなシゴト。
育児を通して人間関係を構築し、安心と信頼の環境をつくる。それらをひっくるめた経験と学びが、これまで以上に会社に貢献できる人材をつくる。
小泉氏が未来を担う政治家であるならば、しっかりと子育てをし、一父親、一生活者としての経験を生かし、本当に市民が求める施策を考えてほしい。そうでなければ、日本の未来はない。
十月十日もお母さんのお腹の中にいて飽きたから、今度はお父さんでもいいよ、とお父さんを選んでくれる子どももいるかもしれない。
(藤本裕子)全国版11月号コンテンツ▶
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