夜の9時15分。
世の3歳児は、もう寝ている時間。
わが家の娘は起きている。
何をやっているのかって、
娘は私の洋服のボタンを留めている。
「私のもやって」と言うので、
私も娘のねまきのボタンを留める。
そんな、
なんでもないこと。
そしてふと思う。
この先幼稚園に入り、その先は小学校…。
そんな日々に、
「明日は幼稚園だから、もうおしまいね!」。
いつかきっと、私は娘にそう言う。
いけないと思っていても、きっと言うだろう。
だからこそ今、
なんにもない今日と
なんにもない明日を過ごす親子は
こんな時間を貯金しておこう。
子どもが忙しくなって
「あぁ、あのときのボタンかけごっこ、楽しかったな」。
そう思うか。
「あぁ、あのときくらい、ボタンかけごっこをしたら良かった」。
と思うかでは、私の人生の豊かさが違ってくる。
きっと娘の人生の豊かさも。
明日も、ボタンのある洋服にしようかな。
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