お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

赤ちゃんの声、聞こえますか?

赤ちゃんの声、聞こえますか?

 

ーー 赤ん坊が泣いていれば、その声を聞いた人の「責任」ですーー 。

「なぜわたしたちは0歳児を授かるのか」(著・松居和/刊・国書刊行会)。

虐待通報キャンペーンのキャッチコピーではない。

泣いている赤ん坊がいたら、そこにいる人間が、「自分の責任だ」と自然に思う。

それが人間が調和し、安心して暮らしていく原点だ。と松居氏は説く。

with/afterコロナでは、さまざまな価値変容が生まれている。

新しい生活様式下のサービスとして、アプリで注文後、
マクドナルドでは駐車場で商品を受け取れる「パーク&ゴー」を開始、
イトーヨーカドーでも保育園で受け取れる「7&iロッカー」のテスト運用をスタートした。

ビジネスの世界は目的が明確だから、対応の変化もすさまじい。

だが大企業がテレワークを取り入れても、子ども対策まではまだ講じられていない。
脱衣所やベランダでパソコンに向かうお父さん。
オンライン会議中、突然画面に現れる子どもたちの姿。

いやそれも悪くない。

ステイホームでお父さんが家事や育児を共有すれば、お母さんの両立支援になるし、
子どもの姿を見ながらの会議なら、売上だけではなく、社会的責任も無視できないと判断が鈍る。

そもそも経済重視の社会が、今回のパンデミックを生んだ要因の一つであることを忘れてはならない。

それにしても、子育て社会に創造や変革が足りないのはなぜか。

持続可能な社会に向けて、地球上の「誰一人取り残さない社会」と宣言しながら、
近くにいる小さな命さえ守ることができない社会とは…。

with/afterコロナ時代を生きるために必要なのは、お母さんたちの想像力と創造力。

なぜ神は、母なる人間に赤ちゃんという一人では生きられないものを授けたのか…。

なぜ赤ちゃんは一日中泣くのか…。今こそ、ありったけの想像力を発揮する時なのかもしれない。

ならばと、私もちょっと想像してみた。

赤ちゃんの泣き声が聞こえたら、それが、近所のおばちゃん徒競走スタートの合図。
先着3位までに赤ちゃんを抱っこする権利が与えられる。

30分も抱かせてもらったら、おばちゃんは遠い昔の子育てを思い出し、幸せな気分になれる。

3人目のおばちゃんに抱かれる頃、赤ちゃんは泣き疲れ寝入ってしまうはず。
それではちょっと寂しいので、がんばって2位に入りたい。

その後3日間は、いつもとは違う筋肉痛とともに、
赤ちゃんのやわらかなぬくもりと、蘇った母心の余韻に浸ることができる。

赤ちゃんの泣き声は、限りなく幸せな未来へと続いている。

(お母さん業界新聞7月号『百万母力』コラムより)