お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

地域の中で生かされ、これからも淡々と生きていく

【日日是母日nichinichikorehahajitsu 横浜版1月号表紙】

「オレと一緒に暮らしたほうが絶対面白いから」
別の人との結婚が決まっていた私の前で、
そう言い放った彼、服部文祥と夫婦になって四半世紀。
当時から山登りをしていたが、
まさか生涯ずっと登山家を続けるとは思わなかった。

長男出産のひと月後、「年末年始はいないから」と彼。
「正月に下界にいるなんて山ヤじゃねぇ」という決め顔付きの台詞に、
一生恨んでやると心に決めて顔をそむけた。
2年後に次男、その3年後に長女が生まれ、にぎやかな5人家族になった。

都会に住みながらも、自然に近い暮らしがしたいと、ただぼんやり願っていた。
だが彼は、どうすれば日々の暮らしを自力でつくっていけるのかを考え、一つひとつを実践してきた。
サバイバルな生活は思いのほか奥が深く、刺激的で楽しい。

墜落や滑落などで生死を彷徨ったこともあったが、
テレビで紹介され、本を出したこともあって、
「サバイバル登山家」として少しばかり名の知れるところとなった。
それでも私たち家族の日常は変わらない。
時折、お弁当にシカの唐揚げが入ったり、
飼っていたニワトリを絞めて食べたりすること以外は。
親も子も地域の中で生かされてきたし、これからも淡々と生きていく。

子どもたちがアクの強い父親を広い心で受け止めているのはどういうわけか。
私はつい子どもをコントロールしようとするが、
彼は常に子どもと対等に向き合い、本人に任せる。
その距離のとり方が、子どもたちにとっては心地よいのだろう。

冒頭の一言に「面白くなるように努力するから」と付け加えていた彼。
有言実行、今日も面白い一日になるよう努力してくれていることに、心から感謝している。

(お母さん業界新聞横浜版 1月号 より 服部小雪さん)

大倉山の住宅街に鬱蒼とした森とともに在る下駄履き住宅。

三層敷地を活かしサバイバル生活を営む服部家

photo:小川忠昭
place:服部家

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お母さん業界新聞横浜版編集長
植地 宏美

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植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。