17年前の「親子の日」の写真。(Photo:親子の日 ©ブルース・オズボーン)
当時は気恥ずかしさもありましたが、今はこの写真が母の宝物である理由がわかります。私が息子を愛しく思うように、母にとっても私たち姉弟との大切な時間だったのだと。
親となり、自分がどれだけ愛されていたか気づきます。長男出産前に、夫とともに撮った写真を並べてみると、親から子へとつながっていくことに感動を覚えます。
3歳の長男と走り回って遊んでくれる母。昔から友だちが来ると、手づくりおやつでもてなしてくれました。今も孫たちの誕生日や行事のたびケーキを焼き、 ごちそうをつくってくれます。
子どもを産んでからは母娘としてだけでなく、母同士の会話ができるようになりました。私の弱音や愚痴に「私もそうだった」「あなたのときはこうだった」と話してくれる母。子育てのことは、何年経っても覚えているのですね。
娘時代は母の悩みや苦労など考えもおよびませんでしたが、知らなかった母の一面、新たな関係を楽しめています。子育ては大変なこともあるけれど、母のように、いつも笑顔のお母さんとして、息子たちの記憶に残っていたいです。
いい大人の私に「寒くない?」 などと心配してばかりの母ですが、90 歳の祖母も、母に同じ言葉をかけていました。いくつになっても、親は子を思うのですね。
2021年6月撮影(長男2歳、次男1か月)
(話/朝吹理世さん)
お母さん業界新聞2109 OYAKO HISTORY
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