お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

『成しとげる力』感動文1

『成しとげる力』感動文


 安達真依

永守重信様
はじめまして。福岡県久留米市在住の安達真依と申します。
この度、お母さん大学の仲間に声をかけてもらい、永守さんの「成しとげる力」を拝読し、こうしてペンを持つきっかけをもらいました。私はお母さん大学に出会い、視野が広がりました。永守さんがおっしゃるように、人との出会いは器を大きくしてくれるものだと体感しています。

私には3人の息子がいます。小学校6年、4年、2年生です。上の2人は学校(公立校)が合わず、不登校になりフリースクールに通いました。子どもを通して学校の様子を見ていると、疑問に思うところも少なくありません。私は大学に行っていませんが、今の教育は大学受験のために高校の進学コースがあり、高校受験のために中学校3年間を勉強に費やす。中学受験、小学校の受験、幼稚園まで…。子どもたちの貴重な日々が無駄に過ぎ去ってはいないか心配になります。人間力、EQを高める経験ができているのでしょうか。正解を求める教育ばかりで、失敗を恐れる子どもたち。教育の場が「減点主義」になっているからではないかと思ってしまいます。
『失敗することよりも、チャレンジしないことのほうが問題なのだ。』
本当に、子どもたちにはたくさんチャレンジしてたくさん経験を重ねてほしい。失敗は悪いことではないと伝えていきたいと私は思っています。永守さんが成しとげていく教育改革とても楽しみにしています。私は、わが子をはじめ、周りにいる子たちに少しでも伝えて行けたらと思っています。

私は、結婚して間もなく夫の実家に同居しました。夫が一人っ子ということもあり、いずれ同居することになるなら早くから、と思ってのことですが。実際、一緒に住むと大変です。ただ会っていた時とは違います。家庭というのは、こんなにも常識から違うものなのかと痛感しました。それでも、私の中には「苦労は買ってでもするもの」「経験は多いほどいい」という思いがあったので、大変なことも自分の糧になると思い同居解消することもなく今も同じ屋根の下暮らしています。 永守さんが「困難から逃げずに向き合え」と言われているのが、私には励みになりました。また『困難は必ず解決策を連れてやってくる』という言葉はどんな困難が訪れても勇気をもらえる言葉です。この本の中で、とても心に響きました。そもそも、永守さんの創業時に「工場もなく営業に出かけても売るべき製品がない」状態だったというのは驚きでした。一歩一歩を積み重ねてこられたことがすごいと思いました。「リーマンショック」の危機のお話やタイの大洪水でのお話も、困難から逃げずに向き合ったこと、そして社員の方を大切に思われていることがとても伝わってきました。M&Aのことも、私にはよくわかりませんが「買収」と聞くと嫌なイメージを持ちがちです。でも永守さんは自社のことも相手の企業のことも大切にしながら行っていることがわかりました。永守さんの人間力ゆえなのでしょう。

本の中で「一番を目指せ!」という言葉が、読む前から印象的でした。お母さん大学の仲間内でも話題になるほどで私も「一番じゃなくてもいいのに…」と思いながら読み始めたものです。ですがその意味は伝わりました。一番を目指すことが、いかに意義のあることなのか。今の時代、学校でも順位や勝敗を付けることが減りつつあります。でも人間としてやっぱり「一番」はうれしいものです。子どもたちを見ていても、それはよくわかります。何でも一番じゃなくていいけれど、大切なところで一番を目指すこと、大事ですね。

本の中では「夢」という言葉がたくさん出てきました。私たちお母さん大学でも夢を描くことを大切にしています。「お母さん」はいわば家庭の中のリーダーでもあります。夢を描き、明るい未来を語ること、その姿を家族に見せることの大切さを感じます。つい日々の忙しさに未来を描くけなくなってしまうお母さんもいます。子どものため、家族のためと「自分」をないがしろにして夢がないというお母さんもいます。『今日よりも明日はもっと明るい日になる。』そう言えるお母さんで在りたいです。

本を読んで気になるところにマーカーを引いていきました。そのひとつに『メードインマーケット』という言葉も印象的でした。『顧客の近くでモノを作り、供給する』ということ。タイの洪水のときの話も現場での対応が素晴らしかった。私もお母さん大学福岡支局の事務局として活動しており本部のこと全体のことを大切にしつつ現場での対応も大切にしています。顔が見える関係性や距離、とても大切だと感じています。 永守さんは関係づくりのため、また状況把握のために食事を共にすることを大切にされていること、なるほどと思いました。ポケットマネーで、ということも!人間の心は単純でもあり、繊細でもあります。『コイの群れに放たれるナマズ』の話も『叱った分だけの「心のケア」が必要』という話も、なるほどと思いながらも実行していくことの難しさも感じています。難しいからこそ『成しとげる力』につながっていくのでしょう。

マーカーを引いたところすべてを語りたいところですが、長くなりそうです。永守さんがお母様を大切に思われていることが本から伝わり、「母」としての立場の大切さを感じるところです。このご縁に感謝し、末筆ではございますが永守さんのご多幸お祈り申し上げます。乱筆乱文にて失礼いたしました。

安達真依


 相澤利奈

永守重信さま

はじめまして、相澤利奈と申します。
本を読むことがとても苦手ですが、とあるきっかけから、読ませていただきました。一生懸命読んだので、正直な感想をお伝えさせていただきますね。

大学もいいけれど、大切なのはこども時代だと思いました。なぜなら、幼少期〜青年期に関わる大人の大切さは、身に染みて感じているからです。
私自身、中学受験を経験し、小学4年生から、毎日通っていた塾では、テストの点数で順位を決められ、点数順に席を決められ、後ろの方に座る子たちは、頭が悪いというレッテルを貼られる環境にずっといました。頭がいい子が偉くて、立派で、頭が悪い子は恥ずかしくて、ダサイ。合格中学の受験結果まで貼り出され、卒業するまで、レッテルは貼り続けられました。地元の中学校には行かないと自ら中学受験を申し出たタイプですが、レッテルの圧には耐えられず、精神的に辛い小学生時代を送っていました。

ただ、私の場合はそこを乗り越えたおかげで、中高一貫の自由で愛の溢れる学校に6年間通えたことは、人生の宝となりました。私立の女子校で制服はなく、校則は生徒たちの投票で変えられる、生徒たちの声を大切に聞いてくれる先生たちでした。毎日ディベートがあり、多数決ではなく、双方の意見を聞き、考えるという時間があり、今思うと、なんて素晴らしい経験をさせてくれていたのだと、感謝しきれないほどです。
私はその6年間のおかげで、自己肯定感が上がる経験を度々したことで、社会に出てからも、『NO』と言える女性になりました。

お勉強の成績は、中高大とも全くよくなかったし、数式も、歴史も、いっさい何も覚えた記憶はないですが、そういった周りにいた素敵な”大人”たちのことは、とても記憶に残っています。特に、中高では、いつもあたたかく見守ってくれて、生徒たちの味方になってくれて、本気で守ってくれて、一緒に笑って泣いて、名前で呼び合って、その頃の先生や友人たちは、今でも交流があります。そこからまた勉強をして、”ふつう”に大学受験をして、付属の大学まで行って。

その後、少し働いてから結婚して・・・
6年がんばりましたが、最愛の私の実の母が突然亡くなり、目の前が真っ暗になり、心は途切れ、もう逃げようと決めて離婚をして、泣きながら2歳3歳年子をひとりで育て、ボロボロになる毎日。やっと就けた仕事も、コロナで保育園が休園し続け、仕事に行けず退職。6ヶ月間無職で、精神的にも限界だったあの頃。家からも出られず助けてくれたのは、とあるYouTuberさんでした。そこから中高時代の友人や先生に連絡をとってみたり、会ってみたりするうちに、色々なことに気づき始めたのです。これのどこに、学校で必死に学んだ数式や歴史が役に立ったでしょうか。

自分の人生が、最悪だったなんて、これっぽっちも思っていませんが、学校教育が重要だったとは、どこのタイミングでも感じたことはありません。むしろ、そんなことよりも、人間関係や、ビジネス感、お金の使い方や、行政とのうまいやりとりについての学びが必要だったと思います。それって、いつ、どこで、、誰が教えてくれるのでしょうか。
行政とのやりとりなんて、大人になっても知らない人が、ほとんどですよね。◯◯助成金、のようなものは、知らなかったらもらえないものが、ほとんど。離婚してから、それを心底感じました。数式や歴史を覚えることよりもまず、大切なことは、生きる術を学ぶこと。私を助けてくれたYouTuberさんはタロット占いをしている女性でした。彼女は、量子力学にも詳しく、ビジネス的視点や、ご自身の離婚や不登校などの実体験も含めて、現実的なお話しをする方でした。また、中高の友人や先生方と連絡をとるうちに、自分は自分でいいという、あの頃の守られていた記憶がよみがえり、私は救われたのでしょう。

スピリチュアルな世界も、ビジネスの世界も、量子力学の世界も、すべて同じことを言っていると思っています。地球を、どの角度から見ているかだけの違いで、地球の話をしていることには、みんな変わりありません。

わが子は、現在小学校1年生と2年生です。ですが、ほとんど、登校していません。なぜなら、小学校がもはやホラーだからです。
突然のマスク義務、謎のソーシャルディスタンス、毎日の黙食、合奏や合唱の禁止、運動会中止、授業参観オンライン、保護者会中止、入学式無言。。。子どもたちは、仲良くなったお友達の”本当の顔”を知りません。マスクを外した素顔を見たことがない、見ることさえ、許可されていないのです。

今の日本の教育現場は、完全なるホラーです。これを、”正しい”と思っている大人が多いこと、また、”おかしい”と声を上げない大人がほとんどなことも、もはや日本のほとんどの大人が、AI化してしまっています。感情をなくしたら、もう、それはAIですよね。わが子たちも、それを察しているのか、4月中旬には、すでに行きたくないと大泣きする日々でした。だから余計に、無理して行かなくていいなと、思ってしまうのです。
だって、一番大切なことは、どんな”大人”が近くにいるか、ということだから。義務でもないマスクに”NO”と言えない、上からの指示がおかしいのに”おかしい”と言えない、子どもたちが犠牲になっていることに”なにも”思わない、そんな大人たちの中へ、大切なわが子を放り込むことはできないですよね。
茹でガエル、まさに今の日本人は、ほぼ茹で上がっています。私が中学受験時代に感じていたような感情や、レッテル環境の中で、大人になっていった多くの日本人は、”不得意”にフォーカスさせられすぎていると思います。そのため、NOとも言えない、日本だけが取り残されている現状にも気付けない、完全に茹で上がったカエルになってしまっている、恐ろしい現状なのではないでしょうか。

私が離婚後、コロナ無職、ネガティブ思考のドン底からV字回復をしたのは、あのYouTuberさんが教えてくれた、マインドでした。それは、とっても簡単なこと、『言霊』でした。私は、それ以来、いいことも悪いことも、全てのことに意味があると思い、まず受け入れてそして感謝をしていくことで、自分のマインドがみるみるご機嫌になり、エゴの思考によるネガティブ感情が湧いてこなくなる。そのくり返しで、幸運体質になっていると、自負しています。V字回復具合はすさまじく、今では、シングルマザー無職、不登校年子女子と、3人でたのしく幸せに毎日を暮らしています。

そのような経験を踏まえて、読み進めたため、とても共感できる部分もありました。
ただひとつ、冒頭でもお伝えしたのですが、人間にとって”こども時代”がなによりも大きな影響力を持っていると感じています。

永守さんご自身が、お母様のことばや、お姿に影響を受けているように、人間は誰しも”母”から生まれて、”母”に育てられます。となれば、子どもはその”母”を見て、社会を見る、幼少期に周りにいる”大人”がいかに大事かということになります。むしろ、その幼少期の多くをともにすごす母親自身を、サポートする世の中であってほしいと、自身が子育てをしていて、今もなお、とても感じている次第です。
未来を担う人材をつくる、お母さんたちをサポートし、こどもたちをみんなで守る世の中になれば、どれほどEQの高い日本人が増えることでしょうか。お母さんがご機嫌でいられることが、親子を、家族を、家庭を、地域を、社会を、日本を、世界を、幸せにすることは、周知の事実だと感じております。

相澤利奈


 天野智子

永守重信様

はじめまして。私は愛知県岡崎市に住んでおります、天野智子と申します。
この度、永守様の「成しとげる力」を拝読し、ぜひ感想をお伝えしたく、ペンをとりました。
私は大学卒業後一般企業に就職し、29歳で結婚、32歳で退職後は専業主婦として、2人の息子を育てながら地域活動や子育て支援活動をしています。

大学については、親からの学費援助は一切なく、奨学金と、自らアルバイトをして得たお金で通いました。
両親は普通に働いていたので、困窮して学費が出せなかったわけではなく、「女に学はいらん」「大学なんて遊んでいるやつらの集まりだ」「早く働いて自立しろ」という父親の考えにより、大学進学を反対されていたためです。

女性でも大学進学することが当たり前になっていた時代なので、私は強く反発しました。
大学進学を反対されたこと、というより、私の人生を勝手に決められることに対する反発でした。
大学の学費以前に、高校での模試代や参考書代、大学の受験料も出してもらえなかったのですが、「進学する」と決めたのは私なので、土日にアルバイトをしてそれらのお金をまかないました。
当然ながら私立に行くだけのお金はなかったため、すべり止めは一校も受けられず、地元の国立大一校勝負でした。自分で決めたこととはいえ、落ちたら後がない状況での受験勉強はとても苦しかったです。自宅で夜遅くまでひとりで勉強し、夜食も自分で作りました。
同級生たちが次々に進路を決めていく中、卒業しても進路が決まっていなかったのは私だけでした(国立大の合格発表は卒業式後だったので)。

精神的にかなり追い詰められていましたが、それでもなんとかがんばれたのは「自分でやると決めた」からだと、今振り返ると思います。
幸い、その「一校勝負」の国立大に合格しましたが、その時感じたのは「うれしい」よりも「勝ち取った」「やり切った」という気持ちでした。

親のお金で大学進学するのが当たり前な世の中でそのような経験をしてきた私は、心のどこかに常に「意地」や「反発心」があります。それがあるからがんばれたし、今もそうです。 ですので、永守様の「成しとげる力」を読んだ時、(大変おこがましいのですが)同じだ、と感じました。そして全編を通して共感しました。
「やり抜くこと」「信じること」「やり切った人だけ見える景色があること」「努力が運を呼び寄せる」 永守様の言葉一つ一つが心に刺さります。

日々子どもを育てていて「みんな違ってみんないい」「無理をさせない」「ほどほどでいい」という今の教育の風潮に少し違和感を覚えます。
それらは決して間違いではないのだけれど、今の日本の停滞ぶりを思うと、時には踏ん張らないといけないし、ほどほどで済ますことを覚えてはいけないと感じます。
ハングリー精神、負けん気・・・恵まれた環境ではなかなか生まれにくいこれらの感情をどう湧き起こさせるか、親として、また、それらの感情を糧にして生きてきた人間として、悩む日々です。 今の20代30代の人たちの中には、永守様の考え方に違和感を覚える人が少なからずいる、と耳にします。しかし私は違和感はありません。これほどの強い考えがあるからこそ「成しとげる」「突き抜ける」ことができる。逆にこれほどでないと「成しとげる」「突き抜ける」ことはできない、そう思うからです。
今の日本に足りないのは、まさにその2つの力なのではないでしょうか。

もはや先進国とは言えない状況になりつつあるこの国で、これから未来を担っていくわが子たちに何を伝えていけばいいのか。
来年のことすら見えないような変化の早い時代ですが、その波にのまれるのではなく楽しんで乗りこなせるような、そんな余裕を持ちつつも、しっかり自分の足で立って歩いていける子たちになってほしいと思います。 そして私自身もそういう大人でいたいです。

たくさんの気づきを与えてくださり、本当にありがとうございました。

2022年10月30日
天野智子


 金子涼子

成しとげる力を読んで「一番以外は全部ビリ」を考える
お母さん大学1年1組 金子涼子

「成しとげる力」を読む会がお母さん大学のプロジェクトとして始まった。
なんでも日本電産という会社の創始者永守重信さんが、半世紀にわたる経営者人生を振り返る書だという。

4人で始めた会社が今では11万人の社員を抱える会社になったと聞けば、ビジネスで成功した偉人伝風に語られる本と予想した。成功体験をこれみよがしに語る?
こんなことやあんなことをしたという自慢話?
短時間で立て続けに会社の社長を変えたというニュースを聞いた際には、ワンマン経営者。「老害」という単語が浮かんだ。
永守さん、ごめんなさい。

いや、お母さん大学が取り組む本なので、それなりに子育てにも通じる教えがあるのだろうか。何より「成しとげる力」から夢を形にすべく企画した、プロジェクトリーダーの永安英美子さんが熱く語るので、読んでみようという気になった。

永守さんが母からの教えを大事に終生心に抱き、成功まで歩き続けたサクセスストーリー。ビジネス書といえども、お母さんが深く関わる本。それを見つけるために読み始めた。永守さんが思ったより嫌な方でないことが徐々に感じられ胸を撫で下ろす。

でも、プロローグに書かれている、「とにかく一番をめざせ」という言葉には共感できなかった。なぜ一番じゃなきゃいけないの?
こんなことを言い切ったらほとんどの人の人生が、ダメのくくりに入ってしまう。

読み進めていくなかで、永守さんの生い立ちにその原点があることを知った。
貧しさから諦めた学業。担任から虐げられたプライド。そこから負けず嫌い、見返してやるという気魂が芽生え、その後の人生の指針となった。
なにより母の教えが永守さんを後押しした。
「一番以外は全部ビリ」と言い切った極端な言葉は自分を鼓舞する言葉。諦めるなということと受け取った。

読み終えてみると、全編ポジティブワードに溢れ、爽快感があった。白黒はっきりさせる物言いに反感を買うこともあるだろうがそれも覚悟の上。本気で一番をめざすには強さも必要ということを感じた。

強さと独善性ばかりが表に出ている感があるが、年に3回、社員に自筆の手紙を手渡ししたところでは、人を大事にする気持ちに感動。また、運は七割と言ってみたり、高僧に教えを受けたりするところでは、目に見えないものを敬う人間らしさを感じた。
そうして見返してみるとプロローグに出てくる「一番をめざせ」「一番以外は全部ビリ」の意味も違って受け取ることができた。

私は30年間「お母さん業界新聞社」に在籍しているがいまだに成しとげていない。代表の藤本裕子のめざす場所に行けていない。永守さんの社員が会社を一番にしたように、めざしてはいるが、一番になれていない。
それは自分の努力が足りないということか。ならば、一番と思えるまで諦めずに進めばいい。ダメと諦めればそこまでだが、諦めなければダメとくくられない。今成しとげていないとすれば伸び代があるということ。
昨日より今日。今日より明日。死ぬまで一番をめざせばチャンスはある。一番とはそういうことだろう。

最後に、未来を担う人材育成を行っている永守さんに提案したい。子どもを産み育てるお母さんを育てるという案はどうだろう。
永守さんとお母さん大学が組んで、未来を見据えた人材を育てて行くのだ。

今「この指とまれ」と差し出した指に、永守さんは止まってくれるだろうか。きっと一番に止まってくれる!と夢見て、私はこの感想文、いやラブレターを書いている。

金子涼子


 宇賀佐智子

永守重信様

はじめまして。お母さん大学大阪支局の宇賀(うか)佐智子と申します。果物屋のみかん箱入り娘として、多少過保護な両親のもとで兄と2人愛情たっぷりに育ちました。父は残念ながら55歳で他界しましたが、母は75歳まで商売人をつとめ、私の人生のしるべとなってくれました。船の仕事をする夫、29歳の息子(東京で会社勤め)、26歳の娘(小学校教員)の母です。この度、永守さんにお手紙を書くという機会に大阪より参加いたします。

日本のために、未来のために、いつもありがとうございます。メディアで見る永守さんは眉間にしわを寄せ、怒っているし、辛そうだし、何が楽しくて働き続けるんだろう、かわいそう、日本のTOPを走り続けるって大変なんだと思っていましたが、このご本「ビジネス書」なのに、永守さんの人間味溢れる部分が面白くて、あっという間に読み終えました。

本の中でお母さまへの感謝をたくさん感じました。子どもは母の教えを良くも悪くも、自分の欲するように受け取ります。なので、「お母さんのおかげ」以上に永守さんの受け取り方が超一流だったのだと、自慢してください。本を読んだお母さまはきっと「そんなに感謝せんでええよ。恥ずかしいわ。当たり前のことやから」と空の上で照れてらっしゃるはず。親孝行してもらおうなんて微塵も思わない、親離れこそ大切な親孝行だと思うような大きなお母さまかと想像します。子どもを産み育てるという、世の中で一番の大事業を成しとげようするのがお母さん業です。子育ては罪悪感と反省の繰り返しですが、母は子どもの笑顔に救われ、子どもは母の笑顔に幸せを感じる、子育てはただそれだけです。でもお母さんにしかできないことです。

社員の皆さんと対するとき、洒落っ気やいたずら心ある言葉を思いつかれたとき、「ニヒヒ!」と笑顔でいらっしゃるのでしょうか。いや、悟られないように苦虫つぶしたお顔でしょうか。TOPの孤独は計り知れないけれど、孤独を癒す術は知っています。永守さんと一番遠いところにあるお母さん業界を覗いてみませんか?郷里の向日市で生まれた赤ちゃんを抱っこし、子どもたちと遊んだら、きっと、これでもか!というほどの笑顔になれます。

学校までつくられた情熱を次は何に生かされますか? 私は永守さんの会社で一緒に働く人ではないけれど、一緒に未来を考えるチームの端っこにならいれるでしょうか?

このお手紙を書くのに、ハリネズミの便箋と封筒を選びました。ヨーロッパでは、ハリネズミに出会うと幸せになると言い伝えがあるそうです。庭の番人とも云われ、群れをつくらず、単独でいる。繊細でストレスを感じやすい、ペットとしては難しい生きものだそうです。多くの仕事仲間に囲まれながらもいつも気を張っていらっしゃるだろう永守さんはハリネズミとだと思いました。5000本以上ある針は敵から身を守るためでもあり、高いところから転落しても大丈夫なしくみ。
常にたくさんの攻撃を受けている永守さんがタフなハリネズミからだ!と、勝手に納得しています。安心しているときのハリネズミの針は寝ていて、撫でることができます。いつか、お会いできるときがあれば、英雄ではない、素の永守さんをハグどころか、ナデナデして差し上げます。永守さんのふにゃふにゃな笑顔が見たいです。

どうぞお体にお気をつけて、お元気でお過ごしくださいませ。

宇賀 佐智子


 藤川綾子

拝啓
残菊の候、貴社におかれましては皆様がご壮健で、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。

このたび、永守様の著書「成しとげる力」を拝読しました。普段ビジネス書を読む機会はさほど多く無い私ですが、大変読みやすく、勉強になりました。以下、僭越ながら、本の感想について書かせていただきたいと思います。以下、3つのポイントに絞って記載させていただきます。

1つ目は、「EQ」の捉え方について、2つ目は、お母様からよく言われたという、「一番であること」ということについて、 3つ目は「私が考える、人生において大切なこと」についてです。

まず1つ目は「EQ」の捉え方についてです。著書を読んでいて、永守様が「これからの時代に必要なものはIQではなくEQだ」と何度も記載されており、いかにEQの重要性を感じているのかがよく伝わりました。しかし、EQ=我慢力や忍耐力と偏った捉え方をされていないかな、と少々気になりました。EQ=感情指数には、自分の感情を上手にコントロールしながら生活ができるという意味で、忍耐力や我慢力も含まれます。しかしそれだけではなく、他者の気持ちへの共感力や傾聴力、自分と違う意見も取り入れる柔軟さもEQに含まれています。EQについての認識に偏りがあることが著書を読んでいて大変気になりました。

次に2つ目は「一番であること」についてです。お母様がどのような意図を以て仰られたのか、大変気になりました。私には現在2人の子供がおります。2人ともそれぞれに違う個性を持っており、私には優劣をつけることはできません。私は、母というのはそういう生き物だと考えております。永守様のお母様にとっても、同じだったのでは無いかと考えています。母として、お子さん一人一人に優劣はつけられなかった筈です。私はお母様の言葉を、「昨日の自分よりも今日の自分。今日の自分よりも明日の自分」「自分の中での一番であれ。惰性で生きるな」と伝えたかったのではないかと解釈しました。

そして3つ目は、「人生において大切なこと」です。私は実は、出産前まで総合病院で看護師として働いていました。私の主な仕事は、終末期医療を必要とする入院患者さんのお世話でした。そこでは、年代も背景も様々な方が治療やケアを必要としてやって来られます。私は約7年ほど働いていましたが、お仕事を通して沢山の学びを得ました。私が学んだことの一つとして、「人生において大切なことは結果ではなく過程だ。」ということです。永守様は著書の中で「努力すれば必ず報われる。」と記載されていました。

しかし、私は努力しても報われないことは世の中に沢山あると思っております。そのうちの一つとして、闘病があると考えます。病気との戦いが努力で全て報われるなら、病院や医者は必要ありませんよね。永守様はたまたま今日まで健康に過ごすことができ、それは本当に幸運なことだと感じます。ですが、それを当たり前だと思わないでほしいと感じました。また、「努力で報われる」という言葉は、努力しても報われなかった方々に対して、大変失礼ながらあまり優しく無いとも私は感じました。

私は、自分のお仕事での経験から、人生において最も大切なことは、結果を出せたか否かではなく、最期にその人が自分の人生は幸せなものであったと感じられるか、だと考えます。永守様はこれまで様々なことを成し遂げてこられたかと思います。成し遂げてこられて、ご自身では自分の人生についてどのように感じましたか。これまでの人生は幸せでしたか。 永守様の人生が、永守様にとって今までもこれからも、幸せなものであることを、私は今後も強く祈っています。

今回永守様の著書を拝読し、私は今後子ども達に、「『惰性で生きるな』ということ」、「結果では無く大切なのは過程だ」という2つの点を強く伝えて参りたいと思います。
末筆ながら、永守様の末永いご繁栄と貴社の一層のご躍進をお祈り申し上げます。

敬具

令和4年10月20日
藤川綾子

永守重信様
侍史


 福田有子

「成しとげる力」感想文

初めてお便り差し上げます。大阪在住の57歳主婦、福田有子ともうします。成人した3人の子どもがいますが、上の2人は東京で働いていて、末の息子と2人で暮らしています。

「成しとげる力」を拝読し企業戦士ではない私にも生きるヒントがありました。

まずはすべてが「自分ごと」になると人生が変わるということです。2つ違いの夫とは子育てに対する考え方が違っていて、何かうまくいかない度に、夫のせいだと思っていました。ある日、それは違う、母親としてやるべきことから逃げていると気がつきました。そして、永守さんが言われるように「自分ごと」として責任をとるようになりました。すると見えてなかった問題が見えてきて、夫とは離婚することになりました。

今は苦しみながらも全て自分で責任がとれる生活を送っています。いかに「自分ごと」ととらえるのが大切なことかを身をもって感じています。そして、人間との関係はどれだけの時間をともにしたかで決まる、ということです。

同居している息子には障害があり寝返りができず、言葉を発することもありません。24時間の介助が必要です。私だけで彼の生活を支えることは無理なので、ヘルパーさんやデイサービスのスタッフ、訓練の先生、看護師さんなど多くの人の力を借りています。介助内容の伝達だけでも時間がかかるのですが、大切なことは息子がどんな生活を送るのか、送って欲しいのかということです。そういう話、親としての思いをじっくりと伝えていくことが支えて下さっている人達との関係を作っていくことが大切だと感じました。

「千切り経営」についても息子の生活の参考になりました。私が亡くなった後も施設に入所するのではなく、現在暮らしている家で過ごすことが私の最大の目標です。息子ほどの重度障害者が施設に入った場合、自由に外出などできず不自由な生活をすることがほとんどです。今の家で自由に人間らしい生活を送って欲しいと願っています。その為には何から始めれば良いのか。まずはヘルパーさんの介助に慣れることです。ヘルパーさんと過ごす時間を増やしていく必要があります。そして、デイサービスにも行く必要があり、デイサービスを探すことから始めないといけません。ひとつずつ具体的な課題を出してクリアしていき、親なき後も安心して地域で暮らせるよう頑張ります。

最後になりましたが、著書の中で一番心に残ったのは、永守さんの哲学、考え方はほぼ全てがお母様からの教えであるということ。
会長室の窓がお母様が眠られている墓地の方向を向いているということ。世界になだたる企業をつくりあげたカリスマである永守さんが深く敬愛されているのが、母親であるという真実が母親のひとりである私にとって、とても誇らしく嬉しいことでした。

朝晩の冷え込みが強くなってまいりました。何卒ご自愛下さい。

かしこ
福田有子


 髙田沙織

日本電産 永守様

初めまして。
福岡県久留米市在住の髙田沙織と申します。
2歳男児の母です。

まずは、私のような者の手紙を読んでいただきありがとうございます。

「成しとげる力」を読んでの感想を単刀直入に書かせていただきます。
私は永守さんに小学校も作ってほしいと思いました。

永守さんがモータの魅力に出会ったのが小学生の頃だったのと同じように、私がものづくりの魅力に出会ったのも小学生のときでした。
私は図工が大好きで、図工の授業終了のチャイムが一番嫌いでした。
夏休みの工作では自分の理想の部屋を模型でつくりました。我が家は母子家庭で、母が朝早くから夜遅くまで働いてくれていましたが、あまり裕福ではなく、自分だけのの部屋を欲しがることができませんでした。
しかし、その憧れから模型や図面で理想を想像してつくっていく楽しさを知ることができました。
今は建築士として働いており、「どんな風に使ってもらうか」を考えるときが今でも一番楽しいです。

やりたいことを気が済むまでやり続けられる体験は、社会人になってからのやり抜く力に繋がると思います。
また、その人が得意とする分野は、案外小学生のときに出会っていることが多いのではないかと思っています。

夢を聞かれても答えられない若者は、幼少期に中断されずに没頭した経験が少ないのではないでしょうか。
「好き」は最強です。努力を努力だと感じずに没頭することができます。
子供達がそういう力を自分で見つけられる場所があれば、日本の未来は強く明るくなると思いませんか?

お母さん大学では「子育ては未来をつくる一大事業」だと言っています。
お母さんが我が子を想うパワーは壮大で無限大です。
また、お母さんは皆一家のリーダーです。
誰よりも本気でその人のことを考えて育てていくことができるのもお母さんです。
人材育成のためにお母さんを活用してください。

「我が子が生きていく日本のために」を原動力に地域や社会を少しずつでも良くしていこうと頑張っているお母さんもたくさんいます。
お母さん自体も良い人材です。お母さんは勉強熱心な方が多く、気宇壮大な夢を持っています。
家事育児仕事に追われながらもそれを言い訳にせず、時間を捻り出して自己実現を目指している人がたくさんいます。
日本の未来を本気で考えて中高大学まで作った永守さんと我々お母さんがタッグを組めば面白くてもっと誇れる日本をつくっていくことができるのではないでしょうか。

永守さんが125歳になった頃には小学校から育ててきた子供達が日本電産の幹部として働く姿を見られると思います。

永守さんに尊敬されているお母様は私の目指すところです。
私も我が子が誇れる人間になるために気概と執念をもって仕事に取り組み、頑張ります。

是非今後もお母さん大学をよろしくお願いします。

髙田沙織