お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お母さん業界新聞と、ビールと乾杯の話

32回目の乾杯。これまでの乾杯を過去の新聞やら著書、資料などで調べていたら、懐かしいものが出てきた。

当時発行していたメールマガジン「お母さんの再出発に乾杯!マガジン」。1999年6月創刊、2001年10月4日のメルマガから、ちょっと面白い話(一部抜粋)。

ある女性センターからの依頼で、フィリピン、バングラデシュ、ベトナムの政府機関から研修に来た女性たちに向けて、お話をすることに。社会的にも高い地位や役職についているアジアのトップレディたちで、テーマは「コミュニティビジネス」だった。

「お母さん業界新聞」の表紙にあった、キリンビールの「一番搾り」の広告を見て、フィリピン代表の女性が私に質問した。

「どうしてお母さんの新聞にビールの広告が入っているのですか?」と。

ニヤリとしながら、It’s a good question. と私。そして、「お母さんの新聞だからビールなんです」と笑顔で答える。ますます「???」の女性たち。

その時、「お母さんへの広告ならミルクでしょ」という声がした。すると別の女性が「ミルクの広告費より、ビールの広告費のほうが高いのですか?」と。

ビジネスの発想しかない女性たちにこう返した。「どうしてお母さんの新聞にはミルクの広告なんですか?」。

この質問が問題提起となって、母親が置かれた地位や男女の格差、女性の働き方、産む性としてのアルコール問題まで、女性同士で盛り上がった。

「これは、ただのビールの広告ではなく、『7月30日、お母さんが夢に乾杯する日』という企画にビール会社が共感したからだ」と話し、結論として、「子育てしている母親だからこそ、汗をかいて、青空の下で仲間と乾杯したいですね」という私の言葉に、どの国の女性たちも肩書を忘れ、笑顔で頷いていた。と、メルマガは締めくくっていた。

それを読んで、まだ実現していない夢を思い出した。「世界お母さんサミット」。

世界中で子育てをしているフツーのお母さんたちが、半径3メートルの世界(家庭)から未来を考える。戦争と平和、環境や健康、孤立や虐待など、さまざまな社会課題も、当事者であるお母さんたちが本気になれば、解決への道が見えてくるだろう。

昨年、ある企業にこの企画を提案した。が、まだ返事はない。いや、私たちが動かなければ返事はこないし、待っているだけでは誰も何もしてくれない。あ~、こんな風だから、私の乾杯物語は「終わらない旅」なのだ。

7月30日 7時30分は、心一つに乾杯してください。
そう。できれば横浜でご一緒に!

(藤本裕子)