ママは君の全部を知らない

お母さん大学入学間もない、３年前に書いた記事。
バウンサーで眠る息子のそばでそっと飲んだココア。
https://www.okaasan.net/hahagokoro/45365/

今日、同じくゆったりとコーヒータイム。
カップの向こうに、息子はいない。

丸４年の家庭保育を卒業し、ついに息子が幼稚園入園の日を迎えた。
数か月前から「幼稚園楽しみ」と繰り返していた彼。
でも母から半日以上離れた経験すらない。

案の定、入園数日前の夜、
急に「ママが一緒じゃないなら行きませんって幼稚園に電話して」と泣き出した。

その場はなだめて睡眠、朝が来るとそんなことはすっかり忘れた様子。
小さいながらに、楽しみと不安が心の中で葛藤しているのかな、
そんな複雑な感情を持つようになったのだなと感慨深い。

そして、初登園の日。
朝はとってもご機嫌。早起きもクリア、準備も前倒しで終えて車に乗り込んだ。
園の玄関で元気にご挨拶したものの
「じゃ、ママ帰るね」と伝えた瞬間火が付いた。
「行かないでー！！」の大号泣。

苦笑いしながら、先生に頭を下げ、なるべく速やかにその場を離れつつ
（これこれ！やっぱ入園ってこれですよね）とちょっとほくそ笑んでしまうのは
毎年春に、こうして涙ながらの別れをする先輩ママさんたちの記事を
沢山読んできたからにちがいない。

ついに私にもこの記事を書く日がやってきたのだ！
息子の泣き声を背中に聞きつつ
泣き顔の写真を撮るタイミングがなかったこと（他のおともだちに紛れてしまったので）を
ちょっと悔しく思っていたり。

息子の園は保育時間短め、夏休みや春休みもたっぷりということもあり
「二人きりの時間が終わったな」という感覚は正直あまりない。
それよりも、私の知らない彼の時間ができていくのだなということを
少し切なく、そして喜ばしく感じている。

これまでは、息子が急に脈絡のないことを言い出しても
「あー、昨日遊んだ○○のことね」「あ、もしかしてさっき読んだ絵本の話？」
と推測から大抵の話を理解できたし
新しい言葉が飛び出しても、それをどこで覚えたのがほとんど把握できた。

きっとこれからは
「え、そんな話どこで聞いたの」「いつの間にそんな言葉覚えたの」が
どんどん増えていくのだろう。

そしてきっと、目に見えないところでも
ママの知らない彼が育っていく。

ひとつの体にふたつの命を宿していた４年前、
ようやくふたつの体になってからも
２年近く卒乳できず、睡眠時間をも分け与え続けた小さな体。
目も手も離さず過ごしてきた４年。

今日からもう、ママは君の全部は知らない。
でも分かってるよ、ママがいなくても頑張って園で過ごしたこと。
予測してるよ（そして当たるよ）、来週の再登園ではさらに泣くこと。笑
願ってるよ、君の世界がぐーんと広がることを。

だんだんと、ひとりでできることが増え
ゆっくりと、独立したひとりの人になっていく息子のことを
心は離さず応援していこうと思う。