新宿まで来たのはどれくらいぶり?人生でもほとんどない。アルタのスクリーンを見ると「お昼休みはウキウキウォッチ」と口ずさむ世代のわたし。思わずスマホを構えてしまった。
スマホを片手に、紀伊國屋書ホールを目指す。目の前に伊勢丹を見つけて、またもやパチリ。誰が見てもわかるお上りさん状態。
お母さん大学を応援してくださっている劇団青年座さんからのご優待。受付で有難くチケットを受け取りると、とてもいいお席でびっくり。周りはすべて席が埋まっていて、皆、今か今かと開演を心待ちにしている様子。目の前で役者さんが演じる舞台を初めて観る私は、どきどきそわそわ。
膨大な台詞で演じる役者さんたち。どれほどの稽古を積んだらこれだけのことができるのだろうかと考えさせられた。まずは、リスペクトの眼差しで見る。舞台は毎回一本勝負、その一回に賭ける熱意をひしひしと感じ、こちらもどんどんお芝居に引き込まれていった。
親子の確執と禅の世界。
「母親との濃い濃い関係」と演出家の宮田慶子さんはアフタートークで話された。
自分の夢を息子に託したい母の思いと吃音の息子を案ずる母の思いの狭間で揺れ動く母の心。
父親が息子を思う気持ちとは違う母親の思いも痛いほどわかった。
どうしても母親として見てしまう。
私が感情移入した母親の場面が沢山あった。
わが子を産み落としたとき、吃音が原因で無口な子になってしまったわが子、吃音を治そうと翻弄する母、唯一のお友達の誘いで動物を殺生する事も許してしまう母、金閣寺の小僧となったわが子への期待、父親譲りの肺病で里帰りしたわが子を案ずる母。
そして、最後は金閣寺に放火したわが子に真意を確かめなければと刑事に詰め寄る母の姿。
面会を拒絶するわが子。
会えぬまま、絶望の淵を彷徨い、列車から川へ身を投げた母の無念の思い。
どこでどう間違えたのか?
自分が育てたわが子に対する計り知れない自責の念があっただろうと思うと、苦しくて切なくて仕方がなかった。
役者さんの演技力や多彩な演出により、見えない情景が見えるてくるようで、舞台から役者さんの見下ろす世界がそこにちゃんと見えたからびっくりした。初めて観た舞台の印象だ。そして、禅や仏の世界も知りたくなった。六仏の存在感も迫力もすごかった。
もう一度観るとまた違ったものに見えるだろう。演じる役者さんも一度たりとも同じ演技はしないだろう。
そんな舞台の魅力に気付いてしまった私。
帰りにパンフレットを買った。売り子さんがとても素敵な若い娘さんだったので、「出演されていましたか?」と尋ねると、「いえ、次の作品の黄色い封筒に出ます!」と目を輝かせて話してくれたのがとても印象で、思わず「頑張って下さい」。と力を込めた。
お母さん大学生になってまたひとつ知らない世界を知ってしまった。
PS.アフタートークでは、ブンナの舞台の話も沢山上がっていた。う~観たい。でもその前にお母さん大学の推薦図書である『ブンナよ、木からおりてこい』をまだ読んでいない私は、今モーレツに焦っている。
私も行きたかったのですが、どうにもこうにも、予定的に厳しくて。
田端さんの感想で勝手に胸が熱くなりました。
わたしも舞台観たことないので、挑戦してみたいです!
比呂子さん
大迫力でした。
本当に、すごいです。知らない世界はまだまだたくさん。
人の心に訴えかけるものがあり、表現力って無限大なんだなぁと、感動しました。
ブンナ、読んでくださいねw
私は、原作も読んでみたいなと思いました。
きっと私が観た舞台と全然違ったかもしれませんね。
お母さん、芝居へ行こう!プロジェクト、まだまだ続きますね!
植地さん
ブンナ読みたいと思います。
ブンナの劇も観たいです。