8月9日の午後。
横浜から乗り換えなしで小一時間。
たぶん、人生で2度目の浅草。
テレビで何度も見ている雷門の前を通り、10分ほど歩いて到着した場所は浅草演芸ホール。
お母さん大学生で音曲師の桂小すみさんが出演する寄席と小すみさんが参加している噺家バンド「にゅうおいらんず」の演奏を聞くため。
建物の正面は綺麗に飾られ、のぼり旗や大きな立て看板も掲げられていて賑やかだ。
小すみさんは「主な出演者」として大きな顔写真が掲げられていた。
「にゅうおいらんず 特別興行」という触れ込みにも心が躍る。
しかも看板は特大。
立ち見も厭わず中に入るとすぐに中入りとなり、運良く空いた席を見つけて座ることが出来た。
すると、隣の席の女性から声をかけられ推しは誰かと聞かれた。
「音曲師の桂小すみさんです。初めて見に来ました。」
「知ってる。三味線と歌の上手な人ね。」
すごい、小すみさんは有名人。
私からもお返しに聞くと、
「昇太さん」とのこと。
春風亭昇太さんは笑点の司会者で数年前に結婚したお相手が元タカラジェンヌだった!
若手噺家さんのすぐあとに小すみさんの出番がやって来た。
着物姿に三味線を抱えて登場し、長唄を2曲披露してくれた。
1曲目は「たね」ということばが11回も出てくる「たねづくしの歌」をユーモアたっぷりに。
2曲目は隅田川を歌った歌。
船遊びの舟と物売りの舟がぎっしりと並んでいるところを因幡の白兎よろしくぴょんぴょんと渡って行けば向こう岸に着くという内容(だったと思う)。
江戸時代の隅田川の賑やかな情景が目に浮かぶようだった。
聞き終わって感じたことは、音曲師(おんぎょくし)とは、江戸文化を今に伝える伝道師であるということ。
めちゃくちゃ長い歌詞、しかも現代のことばとは異なる歌詞と音調を三味線を引きながら朗々と歌い上げるその姿は圧巻だった。
これを伝統芸能と呼ばずしてなんと呼ぶ⁉️
小すみさんにはぜひこの音曲師の道を極めてもらいたいと心の底から思った。
落語と曲芸に大笑いした後、いよいよ噺家バンド「にゅうおいらんず」の登場。
三遊亭小遊三さん(トランペット)
春風亭昇太さん(トロンボーン)
春風亭柳橋さん(バンジョー)
桂小すみさん(ピアノ)
噺家さんメンバーにプロのサポートメンバーとして
高橋徹さん(ドラム)
ベン・片岡さん(ベース)
片山士駿さん(ソプラノサックス)
の総勢7名で新曲「セレソ・ローサ」の披露。
続いて、
昇太さんが下積み時代を哀愁を込めて歌った「ブルーライトヨコハマ」の替え歌「ブルーライトアサクサ」。
ハマっ子の私にはたまらないメロディ、そして涙無しには聞けない歌詞。
全員でもうひとつの新曲「ラビアンローズ」(バラ色の人生)をしっとりと演奏してから、
真打小遊三さんが「お嫁においで」「セントルイス・ブルース」を熱唱。
アンコールでは10日前に175000円で買ったというピカピカのトランペットを抱えた桂宮治さんも加わり、「聖者の行進」「蛍の光」で幕となった。
噺家さんならではの軽快なトークと熱のこもった演奏の数々でライブは大盛り上がりとなった。
大満足のライブだった。
このバンドは、ジャズを得意としていて、結成当初から少しずつメンバーを変えて今日に至っているそう。
年に一度、8/1-10までの期間限定バンドのため、次回は一年後のお楽しみ。
三味線をピアノに変えて大活躍の小すみさん、素晴らしかった。
メンバー紹介の時、「東京学芸大卒、ウイーンに留学経験あり」と紹介されて照れていた小すみさん。
そういえば、乾杯イベントの時にも、小すみさんが連れて来てくれたM先生が、
「自分からは決して言わないけれどすごい人なんです。」と小すみさんを紹介してくれた。
中学校教員から転身して寄席のお囃子さん、そして音曲師となった小すみさん。
様々な賞にも輝いている。
どれだけ努力を重ねてここまで来たのだろう。
そんな小すみさんを周りが放っておくはずがない。
お母さん大学生の仲間たちも皆小すみさんの大ファン。
小すみさんの活躍をこれからも応援していきたい。
色々なワクワクが詰まった浅草。
涼しくなったらまた訪れたいと思う。
【小すみさん情報】
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