元旦の食卓。寂しいと長女がぽつりと言った。
その後長男の部屋を覗くと、長女が長男の横で課題をしていた。あんまり見ない光景にほのぼのとした。
旅立ちの朝。
いつもなら私は出勤している時間だけど、今朝は長男と一緒にコーヒーを飲む時間があった。
私からは3つのことを伝えた。
一足先に家を出るという二男。
「元気でな」。
「ほんじゃーな」。
二人で交わされたのはたったこれだけ。
洗面所から聞こえて、なんだか笑えた。
長男の出発の時間となり、車に乗り込んで小さな箱を渡した。
何これ?と言われ
「冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月持つからね。みそまるだよ」。
ありがとうと言ってカバンに詰め込んだ。
駅まで送る車内では、この家に引っ越してきたのは中学2年生のときだった…と長男がいきなり話し始め、自然と和んだ。
そして最寄駅へ到着。
スマホ片手に長男の姿が見えなくなるまで見送った。
駅に背を向けて歩き出した私の目に留まったのが駅前のケーキ屋さん。
夕方には売り切れてしまう私がこよなく愛すこの店のモンブランが陳列しているのを確認し、購入した。
シーンと静まり返った家にひとり戻ってきたときのこと、
やっぱり涙が出てきた。
でも片手にはケーキがあった。
よかった!
そういえば実家の母は、私の知らない長男のことをよく知っていた。よく電話をかけていたようで、今朝も長々と話をしている声が部屋から聞こえてきた。
私はというと…あえて色々と聞いてこなかった。
そばにいるのが当たり前の存在だったから、顔を見ればそれだけで安心できたから。
当たり前じゃなくなったことを実感するのは、この先なんだろう。
ペンを持ったが、母ゴコロは複雑で、まとまらないまま…。
主の居なくなった長男の部屋に入ると電気が付けっぱなしになっている。あ~いつものことだ。
なんだか気が抜けて、やれやれと、思ったら
さ、私も頑張るぞーと気合いが入った。
田端さん、勝手に、春くらいに家を出るのかな、と想像していたので、
驚きました。
長男くんの門出、おめでとうございます。
寂しさが伝わってきて、私もブルーになりそうでしたけど、
私たちだって、同じくらいの年齢で家を出たんだなぁと、思いました。
お母さんになって、お母さんの気持ちがわかって、そんな強さ。
植地さん
ありがとうございます。
そうですね、私も自分が母に見送ってもらった日のことを思い出して、私の番となった今、母の気持ちがわかって、なんとも複雑でうまく表現できなくて、書けなかった母ゴコロの部分でした!