お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

間取りの弊害について、あるいは母の子離れについて

我が家の1階はキッチン、ダイニング、リビングの仕切りがなく、その中心に吹き抜けの階段があるタイプの、広めのワンフロアである。
第一子妊娠前に中古で購入した家で、2人の娘がねんねの時代には2畳程度でも1階に仕切られた部屋があったらいいのにと思ったこともあるが、基本的に自宅に大きな不満はない。
それはまあともかく、そんな間取りのため、私は出産以降、子どもたちが家にいる時にはずっと同じ部屋で過ごしてきた。

しかし、先日重い腰を上げ、2階の物置と化していた部屋を子どもの遊び部屋にした。子どもらが幼稚園に行っているうちに、トランポリンや人形の家などリビングに置ききれなくなった大きめのおもちゃを運び込み、片付け場所を決めてみたのである。

最初見せた時、彼女らは(私の意図どおり)興奮してみせてくれた。しかし、こちらが運び上げた大型のぬいぐるみを吹き抜けの階段から落としてきたり、ダンボールでソリを作って細々としたおもちゃを一階にせっせと運んできたり……。結局下に持ってくるんかい!と私は脱力してしまった。

しかしそれから1、2ヶ月が経ち、彼女らは部屋の存在に慣れてきたようである。2階に欲しいものをただ取りに行くだけでなく、互いに誘い合って階段を登って行ったり、1人遊びをしに行ったりなどもするようになった。しめしめ、親の思惑通りだ。

それなのに、これまで(隠れていたずらをするとき以外には)殆ど私から離れたことのない子どもたちが、目の届かないところに行ってしまって、落ち着かないのはよほど私の方だった。
これはずっと互いに目が届く位置で過ごせてしまった間取りの弊害かもしれない、と一階にひとり残された私は図らずも考えることになったのである。

この4月から上の子は小学生に上がり、子どもたちだけで外の世界に行くことになる。私も同時に仕事復帰の予定で、通学路で我が子のストーカーをしている余裕はない。なのに、自宅の中で目が届かないだけでこんなに心がさざめくものなのか。
なまじ一緒にいられる期間が長かったため、過保護になるのだろうか。元々区切られた目の届かない間取りだったならば、もっと早くから母子分離が進んだのだろうか。

世の中の他の親たちはこんな気持ちをどう乗り越え、子どもたちの手を離してきたのだろう。目の届かない場所に送り出してきたのだろう。

まずは子どもと一緒に、何度も繰り返し小学校までの道のりを歩こうと思った。

2件のコメント

荒尾さん、はじめまして!前回の初登校は読んでいましたが、コメントもせず失礼しました!

なんだか、母ゴコロ、ああ、こういう記事が母ゴコロじゃん!と思いながら読みました。
でもお母さんの性格ですかね、私は、そんな素敵な感情を全く感じないまま、すっかり大人になった子どもたちと無言でテレビを見ていますw

ストーカーする荒尾さんをストーカーしたい気分です。その写真、絶対映えそうです。
ええ、天野さんにお願いすればいいのかなぁ。

また記事、楽しみにしていますね。

素敵な母ゴコロに、私もほっこり幸せな気持ちになりました!
そんな風に思ってくれるお母さんがいて、子供達も安心だろうな〜
私も同じく、狭いベッドでぎゅうぎゅうに寝る日々にうんざりしつつ、たまに子供部屋で寝る!とか言われるといきなり寂しくなったり‥
何ともグラグラ揺れる母ゴコロ、勝手な母やってます。
こうやって子供達はどんどん大きくなるんでしょうね。

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ABOUT US
荒尾真弓
産まれも育ちも愛知県岡崎市。福岡県出身の夫と、6歳と4歳の娘を育てています。4月に約6年半の長〜い育休から復帰しました。