お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

人間の赤ちゃんを育てる

この世に生まれ出てから、毎日毎秒すくすく育つ孫を見ながら
つくづく命の不思議を考えている。

人間の赤ちゃんは一人では生きられないという意味。
哺乳動物の中で自力で顔を上げられない(首が座っていない)、
自分の足で立てない状態で、母体から出てくるのは人間だけらしい。
他に比べ、すべて約1年早くこの世に誕生する。


『人間はどこまで動物か』岩波新書/アドルフ・ポルトマン著、高木正孝訳

生物学者のアドルフ・ポルトマンは人間の誕生時の状態を「生理的早産」、
乳児期を「子宮外胎児」という。
ポルトマンは生理的早産のところでこう表現する。
「人間は生後一歳になって、真の哺乳類が生まれた時に実現している発育状態にやっとたどりつく。
そうだとすると、この人間がほかのほんとうの哺乳類なみに発達するには、
われわれ人間の妊娠期間が現在よりもおよそ一カ年のばされて、約二十一カ月になるはずだろう~中略~人間のような哺乳類動物には、約一カ年延長された妊娠期間が必要になる、ということである。」
インドゾウの妊娠期間は21~22か月、1mの肩の高さと100kgの体重で生まれてくる。
この一年、私たちはどう考えるのか。

自分では何もできず横たわっている赤ちゃんのお世話をする、
親や周りの大人の母性を育てていく期間だろうか。
お母さんはどう助けるのだろう。
さまざまな支援が増えているが
お母さんを助ける意味を考えるのが子宮外胎児期間だと考えるのか。

お母さんのつまづきはどうフォローできるのだろう。
お里帰り中、10mlに揺れ動く娘がいた。
予定より10ml多く飲んだ、飲めなかった、吐いた。
たった小さじ2杯に一喜一憂しながら、頭はわかっていても心で割り切れない。
自己肯定感を保ち、自らあげていくのは容易くない。
いくらたくさんの人に愛され、助けられての産後だとしても
一つひとつ乗り越えていくのは母自身。
周りの大人にできることはたかがしれている。
少しずつたくましくなっていくことを願うだけかもしれない。

お母さんを助けるという意味。
フォローが足りない環境のお母さんのことを思いつつ
子育てがどんどん難しくなっている時代にできることは
お母さん自身が乗り越えられるような手助け。
年輪のように少しずつ、母力が育っていけばいい。
お母さんたちの気もちをくみ取り、応援したいと思う。

 

4件のコメント

アワアワのお顔も、お腹いっぱいになって肩にのっている顔もどれもたまらない~
MJサミットときオンラインの画面越しでも、お母さんの顔になったな~と勝手に親戚のおばちゃんになってましたよ!
10mlに揺れる母ゴコロわかるな~
そうだったそうだった。
懐かしくそのころの気持ちを思い出しました。
今では、春休みの「お腹すいた~」コールにうんざり、たくましい母になりました。

親戚のおばちゃん、というかおねえちゃん、ありがとうございます。
娘もオンライン越しに皆さんの様子を見れてうれしかったようです。
10ml、なんか実際は強烈な現場で、自分のときは母乳だったからわからなかった??と
一人でもんもんとしました。
これはお母さんしかわからない体験ですね。
まだまだ長い道のりですが
脇門さんのようにどんどんたくましくなると思います!

お孫さんと娘さんの表情ひとつひとつ、全てがたまりません。
こんな風に宇賀さんの目に映っている。
その写真が愛おしいです。
私の産後の写真はクッタクタのボロボロメガネ写真しかないです笑
ゲップが出なくて、吐き戻しが多くて、静かに寝る時は息してるよね!?と、はっと飛び起きて確認していたことを思い出しました。
ちゃんとその頃からお母さんだったんだな、、

岸さん、ありがとうございます~
クッタクタのボロボロメガネ…わかるわかる!
お里帰り中も娘と私の写真はほとんどなく
(映せない状態)
2人でいつ撮る?と相談してました。
深い睡眠がとれない、お母さんあるあるですね。

コメントを残す

ABOUT US
宇賀佐智子
大阪の宇賀佐智子です。30歳長男・27歳長女の母。大阪エリア版編集長を2018年から4年間務めました。子育てが楽しくなる大阪、誰もが子どもたちの未来を考える大阪、美味しい楽しい大阪を目指します♪