お母さん大学のサイトが新しくなり、今まで書いていた過去の記事も追い追い整理しようと思うのですが、(9年分はかなりの量なので。。。)
まずは簡単にこれまでの韓国生活を振り返り、ありのままを書いてみることにしました。
夫と私は結婚17年目。中学3年生の長女と中学2年生の長男、小学3年生の次男がいます。夫の仕事の関係で韓国に引っ越して来たのは2012年2月。日本生まれ日本育ちの子どもたちにとって、突然の韓国生活は挑戦と葛藤の連続でした。
家での会話は日本語だったため、韓国語は基礎からのスタート。ちょうど春休み期間だったので、たくさんの韓国語に触れる努力をし、新学年に臨みました。が、登校の初日に不安と緊張のあまり涙が出てしまったり、言葉が通じないストレスから袖に大きな穴を作って帰ってきたり、アトピー症状のようなものが出続けたりと、それぞれ適応に苦労している様子でした。
そんな中、翻訳機能を使って積極的にコミュニケーションをとってくれる友達や傍でお世話してくれる友達の存在はとても有り難いものでした。またこの頃、子どもたちの中で一つの大きな出来事がありました。自分が日本人なのか?韓国人なのか ?問われる出来事が起きたのです。悩む姿を見ながら、私もいろいろと考えました。ただ、国際結婚をした時からいつかこの時が来ると覚悟をしていたので、折に触れ国籍の話はしてきたつもりでした。そして、狭い枠にとらわれるのでなく、広い視野で物事を考えてほしいこと、辛いことも乗り越える強さを身につけてほしいこと、いろいろな経験をすることでいろいろな立場の人の気持ちがわかってくるということなど、心を落ち着けたくさん話をしました。
するとその後、宿題の作文には「地球人」という言葉で自分を表現し、壁を乗り越えた感じの表情の子どもの姿がありました。母として、傍で見守ることしかできませんでしたが、様々な経験を力に変えてこれからも大きくなっていってほしいと強く感じた出来事でした。
その後も、韓国生活に「慣れる!」を目標に、週末は韓国語教室へ通い、事あるごとに多文化家族支援センター主催の様々な イベントに参加し、とにかく動き続けた日々で、多くの素敵な出会いがありました。
またチュソク(旧暦のお盆)、ソルラル(旧暦のお正月)などの家族行事も経験し、たくさんの失敗を繰り返しながらも、周囲の方たちに支えられ、親子共々少しずつ韓国という国の文化、習慣を学んでいきました。
そして引越してきて2年目の秋、私に異変が起きました。今までの無理が重なったのか、子宮系の病気が発覚。幸い大事には至らず、軽い手術で済んだのですが、このことをきっかけに、私の中の何かが変わりました。
仕事が忙しく、出張の多い夫とのコミュニケーションを見直し、ついつい一人で頑張りすぎてしまう自分を振り返り、辛い時には辛いと言うこと、大変な時は助けてほしいということ、言わなくても分かってくれると思わず、素直な気持ちを言葉にすることなど、感情表現と行動を変える努力をしました。
そして、子どもたちに対しても、もっと生きる力を身に付けさせる必要があると感じ、掃除や洗濯、炊事など生活全般のことを教え、以前よりもっと頼るようになりました。
韓国語能力もいつの間にか私を超えた長女には、手紙の解説翻訳や日常生活における微妙なニュアンスの通訳など、日々逞しくなる長男には、家の修理やゴミ捨てなど力仕事を任せ、次男には、韓国語の発音や基礎的なことの復習をサポートしてもらったりと、逆に私が助けてもらう立場になりました。
また、大学生メンタリング活動にも申請し、子どもたちの勉強面だけでなく心のサポートも支援してもらっているのですが、特に思春期を迎えた上の子2人にとって、第3者の大人の意見や存在はとても心強いものだと痛感しています。親からの言葉は素直に受け入れられない時も、斜めの関係のメンター先生の言葉はス ッと入り、不思議と悩みを話したり相談などもしているようです。異国での生活は思った以上に大変ですが、本当にたくさんの支えの中で、それぞれがそれぞれのペースで確実に適応し、世界を広げていっています。
今でも心に残る言葉があります。それは、長女が小学5年生の時、英語の勉強についていけず悩み、多文化関連の方に相談をした時のことです。「あなたは多文化ということを恥じてはいけないよ。お父さん、お母さんが違う国ということは、それだけいろいろな世界を知っているということ。今は大変でも、後でそれは自分の力になるから。これから、違いを強みにできる時代が来るから。そのためにも、自分を大切に。そして、今は支援を受ける立場かもしれないけれど、あなたの経験を活かし支援する立場にもなれるのだよ。」とアドバイスをもらいました。
確かに今でも、言葉の面で多少の苦労があります。母国語であった日本語から、韓国語を学び、韓国語でさらに英語を学ぶというトライアングル な言語習得環境。どちらも中途半端で分からない単語も多数あったり、理解が難しいこともしばしばです。特に長女は、途方に暮れて涙することもありましたが、ここは経験としてグッとこらえて乗り越えていくしかないと傍で励ましている状況です。
まだまだ先が見えない中、どれだけ未来を照らしていけるかが親の課題でもあると、最近よく思います。そのためにも私自身が、何事にもチャレンジして、できることは何でも取り組み、人生とは多様な選択肢の連続だよと示していけたらと考えています。
これまでの5年間、韓国語教室、言語発達教室、二重言語教室、料理教室、メンタリング活動など、たくさんの支援を受けてきました。そして、多くの人の支えと励ましがありました。
私たち家族が適応できたのも、そのおかげだと思っています。慣れてきた今、今度は自分たちもできることで、少しでも他の人の力になれたらと、ボランティア活動や市民活動に参加するようになりました。
昨年の夏は長女が、今年の夏は長男が、海外ボランティアに参加しました。日本と韓国の中高生が、海岸の清掃活動を通し交流するというプログラムです。日本語と韓国語がどちらも中途半端になっていると葛藤していた時に出会えたプログラムでした。これをきっかけに、両方できることの強みを実感し、同年代の子 と共に時間を過ごすことで、いろいろな発見や気づきがあったのではと思っています。
私自身も、子どもたちの頑張りを見ると力が湧いてきます。辛いこともいつか振り返った時、いい思い出になっているのではないかと。。。そのためにも、この機会にこうしてありのままを記しておきたいと思ったのです。
私たちと同じように、中途入国の子どもたちの葛藤や苦悩が、いつか自分を輝かせる貴重な経験と力になることを願わずにはいられません。違いは、捉え方によって、魅力に変わります。上から下から横から斜めから、見方によって違った形に見えるように、いろいろな引き出しから様々な違いを伝えられるのが多文化の魅力ではないかと。。。
韓国に暮らして5年、あえて言葉にすると、戸惑い、悲しみ、驚き、憤り、気づき、喜び、笑い、感動し、目まぐるしく変化した日々でした。とてもここには収まりきらない濃い時間でした。きっとこれからもそうあっていくのだと思います。
ただ今までと違うのは、どんなことがあっても大丈夫!という自信がついたことです。今後、子どもたちの中にある伸びる力をさらに信じ、夫ともいろいろな意味で意思疎通し、新しい世界を開拓しながら笑いあう時間をたくさん作っていけたらと思います。
幸せは家庭から。まずは私が太陽として、明るく朗らかに家族を照らし過ごすつもりです。乗り越えた先に何が待っているのか?ワクワク期待しながら、私の韓国生活第2幕スタートです!
その力の源である子どもたちの写真を添えて。。。
村本さん
長編、読ませていただきました。
長い、長い、コメント書いたら、消えちゃった。
きっと、長すぎたのかな?
それとも、つまんないコメントだったから?
いや、更新しなかったから。
改めて、お返事させてください。
ありがとう。
ありがとうございます。
これまでを振り返るよい機会になりました。
子どもたちの成長とともに
私もいろいろな学びがきているなと
改めて思いました。バタバタな毎日がネタの宝庫です。。。
私もしっかり最後まで読ませていただきました。
ありがとうございました。
村本さんが凛としていてかっこいいなと、心から思いました。
あ、私も聖子です(笑)
同じ名前で、光栄なくらいです(笑)
ホントに3きょうだいのステキな写真に、また力をもらいました!
お名前いっしょ!ご縁を感じます^^
ベストなタイミングでお会いできそうですね。
こちらに来て立場逆転、
子どもたちにたくさん支えてもらっています。
But…最近は思春期でいろいろとありますが。。。
このところ体調を崩しております。
それでもコメントを書きたくなる記事であることを最初にお伝えします。
韓国は今日本以上に北朝鮮という同胞と長い間休戦状態であったこと。
そこに来て今また緊張関係が再燃して、大国にサンドイッチされながら苦しい状態にあること。
日本との関係も戦後解決できないままモヤモヤ状態の中で今を迎えていること。
その中で民間人はお互いに両国の文化を知る機会を得ながら、各人が国を超えて考えるようになったのは前進です。
日韓の両親から生まれた子ども達は、それこそ今後懸け橋になるためにいろんな苦難、試練もあるはずです。
どうぞ一緒に乗り越えられるようにお母さん大学でも考えて行きたいですね。
大変な中で書いていただきありがとうございます。
知らないことがたくさんあり、今まで感じられなかったこともたくさんあり、新たにわかることもいっぱいで、一時的に許容範囲を越え頭痛が続いた日々もありました。。。
あたたかく穏やかな未来になることを願いながら今後も動いていきたいと思います!