人生でロールキャベツを初めて食べた日のことをはっきりと覚えている。
高校生の頃、母と2人で行った洋食屋さんだった。
家で母が作ることもなかったので、当時の私はロールキャベツ自体をよく知らなかったと思う。
「ここのお店のロールキャベツは美味しいから、一度食べさせたかったんだ」そんな事を言われた記憶がある。
多感な時期だった私は、大した会話もせず静かに食べ始めた。一口食べ、そのロールキャベツの美味しかったこと。感激して「美味しい!」と私が言うと、にっこり笑って喜ぶ母の顔も、しっかり覚えている。
その後も、母の作る献立にロールキャベツはなく、ロールキャベツはお店で食べるもの、そんな風に思っていた。
そんな中、私が結婚してこどもができ、〝ばぁば〟と呼ばれる存在になってから、初めて母がロールキャベツを作った。
私が里帰りしたとき、振る舞ってくれたのだ。
「何だか無性に食べたくなって作ってみた。美味しくできたのよ。この歳になって、新しいレシピが増えるなんてね」と、歳を重ねた母が笑いながら言った。
私自身が〝お母さん〟という存在になってから、母が作った〝はじめての母の味〟ロールキャベツを食べる。何だか不思議な瞬間だった。
母の作るロールキャベツは、お店のに比べたらシンプルな味だったけれど、その優しい味が、慣れない育児に奮闘する私にとっては、母からのエールのように感じた。
それからは母の得意料理の一つに。
几帳面な母が作るのは一つ一つ綺麗に巻かれたロールキャベツ。
大雑把な私は、タネとキャベツを交互に重ねて作るジャンボロールキャベツだ。
見た目は違えど味は一緒!…と言いたいところだけど、「ばぁばの方がなんか美味しい!」とこどもたちに言われてしまうのは…??
最近はこどもたちも成長し夕食作りに余裕ができたので、母と同じように一つずつ巻くようになった。
一つ一つ丁寧に巻いていると、あの時「私に食べさせたかった」と初めてお店で食べた母の笑顔を思い出す。
母との思い出が詰まったロールキャベツ。私と、子供たちにはこれからどんな思い出ができるのか。
そんなことを思いながら、久々に、一つ一つ巻いたロールキャベツを作りコトコトと煮込み中。
お母さんと食べたロールキャベツが、
脇門さんのお母さんとの物語になっていますね。
素敵です。
ふたりで食べたロールキャベツ、母がつくるロールキャベツ、
そして、娘がつくるロールキャベツ
ただのロールキャベツではない、母と子がこころひとつになれる味。
忙しい中、ありがとうございました。
私も、たまにつくります。
そういえば、母もつくっていたような・・・思い出しました。
緊急特集号になったので、4月号掲載ですが、よろしくお願いします。
さすが、藤本さんがわたしの記事をまとめて下さると、また素敵な感じになります!
4月は母の味でいっぱいになりますね〜
新聞と一緒にそれぞれの味を出前できたらいいのに!
子どもの頃食べてた母の味とは違って、母になってからの母の味なんですね。
「食べさせたかった」というのがうれしいですね。
私は、ロールキャベツ、実家にいた時は冷凍食品でしか食べたことなかったなー。
自分で作るようになってからも、1回くらいしか作ったことないかも。
これで、頭に残って作りたくなる時が来そうです。
戸崎さん
作るのは簡単なのですが、なんせ面倒なロールキャベツ。笑
私は巻く作業よりも、キャベツを一枚ずつ剥がしてゆでるのが面倒です。
戸崎さんも作ったら教えてください〜
おいしそう!私全然料理してないなぁ。実家にいた時の方が、料理してた笑