もう十分なこと

長男が帰省していたが、家族全員で食卓を囲む日は一日もなかった。帰省中でもほとんど家に居なかったしね。

でも6人が揃う日があって外食しようということになった。家族の思い出の店。

俺が奢るから〜って言ってくれたが、長男は体調を崩してしまった。あ～。

おかゆを作って梅をのせた。長男の好物の万玉の梅壺を買っておいてよかった。うめ〜と喜んで食べた。

回復した長男がリビングで次男と昼食を取っていた。

食べ終わると次男はスーッと部屋に戻った。旦那が「次男はママを嫌っているから、ほとんど喋らないんだよ。俺には色々話すのに」。と勝ち誇った顔をして長男に言った。

すると長男は意外な顔をして

「なんで？」と聞いてきた。

私は

「遅くきた反抗期って感じじゃない？でも、寂しくなんてないよ、だって小さいうちに沢山のかわいいをもらったから」。と言った。

「3歳までに一生分の親孝行をする」という言葉があるように、まさにそれ。

いつもママ〜ママ〜と甘えん坊で沢山抱っこをせがんだ。とびっきりの笑顔で走ってきて、ぎゅうと小さな手で力を込めて抱きついてきた。

沢山抱っこをしたっけ。

思い返せばそれらは尊い日々。

沢山の幸せをくれたから、母としてはもう十分なのだ。

先日、珍しく彼女とツーショットの写真を見せてくれた次男。

その写真には、今までに見たことのないような優しい顔で微笑む次男がいた。

そんな顔するんだと思った。

幸せそうなその顔は、母までも幸せいっぱいにしてくれた。