お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

わたし、飛びたい!

「とび箱出来なくても、大人になって困ることないし、大丈夫だよ」

わたしは多分、そんなことを言った。娘が2学期早々、とび箱の授業で左手を捻挫して帰ってきた時だ。痛みもあるし、とび箱が怖くなっちゃったかなと思ったからだ。

実際、娘はケガ後は痛みよりも不安でとび箱授業を見学していた。でも、痛みが引いたら、授業にまた参加していたようだ。

「4段とか5段飛べる子いっぱいいるのに、わたし飛べないんだよね・・・」

そんなことを言っていた。家には、たまたま来客があって、カバーをかけた三つ折り布団を出していたら、とび箱の高さに似ていたのか、

「ちょっと飛んでみたい!」と、娘。

やらなくても大丈夫だよ、なんて安易に言った自分が恥ずかしい。この子は、飛びたかったんだ。汗をかきながら、元小学校教師のおじいちゃんの助言を素直に聞いて、何度も何度もトライしていた。「見て、髪の毛が雨に濡れたみたいになっちゃったよ!」。目はキラキラしていた。

そこから数日後の週末。夫が運動施設で無料の跳び箱教室を見つけると、娘は「行く!!」と即答。蓋を開けたら、低学年の男の子が多く、怖いものなしで勢いよく飛んでいくちびっ子の列。頭2つ分位背の高いお姉ちゃんの娘は、恥ずかしそうで、居心地悪そうで、よく見たら半泣きの顔をしていた。

実際のとび箱を前にすると、怖さが勝ってしまっている。でも、娘の気持ちを知った以上、このまま帰したくないので、トレーナーのお兄さんにこっそりと、今までの経緯を伝える。

「もう飛ぶ力はあるんですけど、気持ちのところでストップかかってる感じですね。一回、成功したら後は大丈夫だと思うので、帰るまでに成功できるようにさせてあげたいですね」。

お兄さんも改善ポイントをていねいに教えてくれて、娘の集中ゾーンに入った。

飛べなくても、とび箱に座っちゃっても、何度でも、何度でも。もう一回スタート位置に戻ってやる姿。これがこの子のすごいところ!

そして90分が経とうとする頃、コツを掴んだ娘は…飛べた!!

やった!!!両親揃って娘とハイタッチ。お兄さんも安心の笑顔。そして満足気に家に帰ると、まだまだとび箱やりたい、買ってという娘(笑)流石にそれは出来ないが、夫がキャンプ用のコンテナを重ねて、即席のとび箱を作り、練習再開。

もう怖がってない。できる!が目に宿ってる。そして強くジャンプして、大きく足を開いて、ポン!

今度はどうだー!の得意気な顔^^  不安や怖さに打ち勝って、何度もトライして自分のものにした娘。すごいよ。我が子だけど、師匠と呼ばせて。応援する機会をくれて感謝!

「やったねー!学校で先生にも見てもらいたいね」

「もうとび箱の授業、終わったよ!いいの、いいの!楽しかったから(^^)」

評価のためじゃない。自分のため。楽しみのため!母ちゃん、誇りに思う!!

 

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ABOUT US
山﨑恵
肝っ玉母ちゃんに憧れる繊細母ちゃん。アメリカで子育てをスタートさせるも、第二子出産後に産後うつになる。あの頃の自分にも、いま同じ思いをしている お母さんにも言ってあげたい。「いろいろあるけど、それでも大丈夫だよ」って。数年前、夫の実家の横須賀にあるカフェでお母さん業界新聞を手にとる。 配ってくれた人がいて、ここにたどり着いたご縁に感謝! このままの「お母さんであるわたし」でペンを持ち、人と社会とつながりたい。いまは地元埼玉県川口市で子育て・自分育ての根っこを下ろし中。 最近はまっているお灸でぽかぽかするのが至福の時。子ども/小6男、小3女