お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

娘の行き渋りと私の生育歴

うちの小1娘は、ちょこちょこ学校を行き渋る。保育園時代から行き渋りが酷く、当時仕事が激務だった私は、泣きわめく娘を保育園に放り込むように預けていた。小学生になったら、その回数は減ったが、たまにやっぱり行き渋る。

今週も月、火の2日を休んでいたが、火曜日に自分から「明日は学校行く」と言ったため、ちょっと安心し、松葉荘に連れて行き、ダラダラすごしていた。迎えた今日の朝、さあ学校だよ。朝だよ。と声をかけると…

「行きたくない」

目に涙をいっぱい溜めて布団から出てこない娘。あー…今日も行かんかもな。となぜかガッカリしながら、娘の気持ちに引っ掛かる言葉を私は伝え続けてみた。

「昨日は行くって言ってたけどな」
「なんか嫌なことがあった?」
「ママも行きたくない時あったけん分かるな」

時間をかけてそばにいると、同じクラスの男の子に言われた言葉で傷付いたようなことを言っていた。よーく聞いたら、その子は元気な子で、悪気があったわけじゃなさそう。

「怖かったし、嫌だったんよね」と言うと、ワンワン泣き出す娘。しかしどうしても登校して欲しい私は、泣き続ける娘にちょっとイライラして、どうして道を逸れるようなことをこの子はするの。どう伝えれば、何をすれば、〝普通に〟ニコニコ登校してくれるの?と胸の中がモヤっとした。今日は娘を車に乗せて、学校の入り口まで行くと、担任の優しい先生が穏やかに連れて行ってくれた。

「先生ごめんなさい。私の育て方が悪くて」そんなことを思いながら、1人で車を走らせ考えた。

優しくて、朗らかで、大きくて、ひまわりのようなお母さんになりたかったのに。私はイライラしてばかり。娘の行き渋りは、娘の中に何か課題があるのだろうに、私はそれを私の問題にすり替えようとして…子育てってなんだろう。と落ち込んだ。

家族や親って言うものが私はわからない。私は〝機能不全家族〟で育った。健康な家族の中で育つ子どもは、学校や習い事などで一生懸命頑張って、家に帰ってきたらホッとして、またエネルギーをチャージして外に出ていく。何か困難にぶつかっても、家庭という〝安全基地〟があることで、安心して外に出ていける。

しかし私の家は違った。家の中は両親の怒号が夜中まで響く、朝起きたら壁に穴が開いている。なんてしょっちゅう。私は叱られると、両頬をギュッとつねられたり、洋裁用の長い竹でできた定規でピシャリと叩かれたり、教科書をビリビリに破かれたり…とにかく安心という空間ではなかった。

記憶はパズルのピースを無くしたかのように、思い出せない部分が多いが、1番苦痛だったのは、お酒に酔った母が小さな私に自分の生育歴を話し泣く時間だった。母は複雑な家庭で育っており、その苦しかった経験を、小さな私に泣きながら話す。何度も何度も。「私がお母さんを幸せにしてあげなくちゃ」小学校低学年の私は使命感に燃えていた。

私は母が悲しそうにしていたり、怒った顔をしていると、慰めたりピエロのように戯けてみたりした。

家でも安心感を得られなかったが、当時私は学校でも習い事でもいじめられていた。だけど行き渋れば、また頬をつねられるかもしれないし、母が悲しむかもしれないし、学校を休む選択はしなかった。そんな生活は中学生まで続いた。

私が高校生になった頃、家庭はもっと荒れ果てていた。母は仕事はしていたものの、お酒に溺れていた。私は小さな妹の世話や家事をしていた。夜中になると相変わらず両親の怒号が響き、逃げ場がない私と妹は、お布団の中に小さな携帯のあかりをつけて、〝幸せな自分の未来〟を絵や文字にして書いた。

私が結婚して、小1娘が産まれても状況は変わらず、年中男子が産まれる前に「このままじゃ、私がおかしくなる」そう思って疎遠になった。

疎遠になって母の問題から離れると、自分と向き合う時間が増えた。うちが機能不全家族だったことをようやく受容した。妙に人の顔色を見てしまい疲弊しやすいところ、白黒思考、忍耐つよすぎるけど、レジリエンスが低い、素直に泣いたり笑ったりできないなど、たくさんの生き難い部分を持っていた。

私は家庭を持った時に、私の育った家族には絶対しない。お母さんみたいな母じゃなく、穏やかで朗らかな母になる。と思っていた。しかし、いざ子育てをすると、私の中にある〝あの母〟の姿がチラホラ見えそうになり、自分を抑えている。私も母みたいになるんじゃないか。そんなことを考えてしまう。生育歴が育児の困難感をもたらしているような気がしてならない。

と同時に、同じような生育歴を持ったお母さんと繋がって、支え合い、世代間連鎖を止めたいとも考えている。

今日娘が帰宅したら、おかえり。と穏やかに迎えたい。お母さんのロールモデルがない私だけど、あの子が少しでも安心できる家を作るために、出来ることを探したいと思っている。

12件のコメント

里見さん、里見さんの気持ち、これまでのこと、教えてくれてありがとう。
抱きしめたくなりました。抱きしめていいかな。今度会った時に。
出会ってくれてありがとう。これからもいろいろあるだろうけれど、できることしかできんけど、
一緒に考えていこう。

あやさん

いつもありがとうございます。
もういつでも抱きしめてください。小さな頃の私が泣いて喜びます。きっとそういう人他にもいると思ってます…少数かもしれませんが…今はとにかく何かに突き動かされている感覚です!娘のケアもしながら、また火曜日お会いしたいです。

さとみ

書いてくれてありがとう。
うちの子も保育園のときに行きしぶりがあり、泣き叫ぶのを無理やり預けて仕事に行ったことを今でも覚えています。
行きしぶりは、里美さんのせいじゃないよ。
普通の家庭に育ってたって起こることだから。
一緒に吐き出しあいながら、悩みや苦しみも価値に変えていけたらいいな。
せっかく、こうして出会えたご縁だから(^^)

あだちさん

お子さんも行き渋りだったんですね。
何か私の責任のような気がしてしまいました。
しかし娘、元気に帰ってきてくれました。また明日、何があるかわからないけど、また1週間あったことを連れて、火曜日に伺います^_^

さとみ

里美さん
書いて、教えてくれてありがとうございます。里美さんは仕事と子育てと家庭の両立に迷いながらも一生懸命向き合うお母さんに見えてました。
行き渋りは我が家も毎日です苦笑
寝る前のタッチケアや行き渋りの対応に、休んだ日は一緒に過ごしたり里美さん十分お母さん頑張ってるなって思ってました。色んな不安や感情をここに出していって下さい。

まいさん

まいさんのお子さんも行き渋りあるんですね。
なんだか私だけじゃないなって、コメントいただき安心しています。ありがとうございます
( ; ; )私の対応が正しいのかなって、いつも自分をジャッチしようとしてしまいます。たくさんこちらに吐き出していきます!ありがとうございます!

さとみ

里美さん。
書いてくれてありがとうございます。
わたしも本当抱きしめたくなりました。
小さな頃の里美さん。
いま頑張ってる里美さん。
本当頑張ってこられましたね。
真っ直ぐにとにかく生きてきた里美さん。
うまく言葉に出来ないけど、
本当きつかったよね。
辛かったこと吐き出せなかったのもきつかったですよね。
吐き出してくれてありがとう。
松葉荘に来てくれて、
お母さん大学に出会ってくれて、ありがとうございます。

わたしも最近よく思います。
寂しかった自分、悲しかった自分、
小さな頃親にやってほしかったことを今自分が子どもたちにすることで、なんか浄化される部分があるんですよね。不思議です。これはわたし以外の友だちも同じことを言ってくれました。

人間の本能には、人を育てる、次世代を育てていく、という欲求があるようです。大なり小なり。
子どもを育てるのはもちろん、里親もそうだし、社会に出て後輩に仕事を教えていくのもそう。学校で生徒に教えていくのもですね。

里美さんは里美さん。
イライラするのはお母さんだからですよ。わたしもいつもなんかモヤモヤイライラしています。
娘ももちろん幼稚園や小学校休んだことあります。
バルンフェスタ連れていきたくて休ませたこともあります(笑)
学校は大丈夫ですよ。
しっかりと娘さんと向き合って色々な話を聞いてある里美さん、本当素敵だなぁと思います。

またお会いできる日楽しみにしてますね

裕子さん

すごくすごく腑に落ちました。
自分がしてほしかったことを娘にすることで、〝小さかった頃の私〟が癒されている。ほんとに同じ様な感覚がします。娘にマッサージをしていると、寂しくて辛くて、小さくなっていた私が癒やされている感じがしていました。

こんな育ちの私がイライラしているんじゃない。〝私〟なんだ。母とは全く別の人格なんだ。ということを思い出させていただきました。本当にありがとうございます。また絶対にお会いできますように…娘も楽しみにしています。

さとみ

椛島さん、横浜の植地です。
勇気のある投稿だと思いました。
そしてお母さんとしての愛と決意を感じる投稿でした。
私も同じように迷い、自分に問いかける日々がありました。吹っ切れたように思えるけれども、時折、そういうざわっとした感情が戻ってきそうな時があります。
そんな時は、藤本さんから言われた、よかったねと言う言葉を思い出します。
こういう気持ちを知ることができてよかったんだ、他の人には起こらない出来事が、私には与えられたのだと思います。

椛島さん、もっともっと書いてください。
書かないでしまった私のような母たちに、思い出させてください。
本当にありがとうございます。
忘れていた記憶が蘇る時、感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

植地さん

コメントありがとうございます。
松葉荘であやさん達に出会い、色々お話ししていく中で〝書いてみたら〟と背中を押していただきました。

生育歴について思い出すと、以前は頭の中がぐちゃぐちゃ、胸の中はザワザワ不安に押し潰されそうな感覚がしていました。今は色々勉強し、自分を少しずつ受け入れて、外に発信までできるようになりました。

藤本さんの「よかったね」という言葉。深くて、そうか。と様々なことを考えさせてくれます。人がしないような経験や、人が持たない感情。私は自己肯定感や有用感が以上に低いですが、そう思うだけで自分がスペシャルな人間のように思えてきます。

他にもたくさん色んなことがありました。
これから発信していきます!ありがとうございます^_^

さとみ

世代間連鎖を止めたい、母と同じことをしているのではないかとハッとする気持ち
とても共感しました…

私も子どものとき母にされて嫌だったことをしないようにと思っているのに、子育てをしているとふと自分と母が重なる瞬間があって、ざわざわした気持ちになります。
されて嫌だったことも覚えていますが、してほしかったこともたくさん覚えているのでそれをしてあげられるお母さんに私も一緒になりたいと思いました!

沙織さん

共感いただき、ありがとうございます!
コメントを見てハッとしました。してほしかったことをしていく。そうですね^_^ やめなきゃ。ばかりじゃなく、私が出来ることを少しずつやってみます。

さとみ

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ABOUT US
椛島里美看護教員
福岡県久留米市在住 41歳のワーママ。鬱で休職中。 7歳の小1女子と、5歳の年中男子… それから39歳のおっきな長男(夫)の4人家族です!