ヘルプカード

金曜日。
うちの小1女子、美緒はまた行き渋りだった。

「お腹が痛い」

そうやって下を向く。休ませるか、行かせるか。私も決断できない。しかし、私も疲れ切ってしまい、少し1人の時間が欲しかった。

お腹は手でさすると痛みがひいたが、きつくても先生に言えないから。やはり学校に行かないという。どうしたもんか。と思ってしばらくボーっと座っていたら、私はひらめいた。

〝先生ヘルプカード〟を作ろう！

朝の忙しい時間。時間は10分しかない。パッと先生が見て、美緒の気持ちをわかってもらえるもの。厚紙に折り紙を貼って、その辺にあったマスキングテープではりつけ。内容は

せんせい、あのね
⭐︎かなしいきもち
⭐︎おうちにかえりたい
⭐︎からだがきつい

それだけを書いた。連絡帳にバタバタ詳細を書いて、美緒に説明。

きつくて帰りたくなったら、先生にこれを見せたらどうかな？話さなくていい。見せるだけだよ。おうちに帰りたい時は、これを見せたら、先生がママにお電話くれるからね。

すると、

これがあれば行ける。美緒はハンカチポーチに即席〝ヘルプカード〟を入れて登校した。もちろん歩いてはいけないから、送っていった。

昼過ぎに靴箱に迎えに行くと、ニコニコ。頑張れたよー！と駆け寄ってきた。カードがお守りになったのだろうか？無事に帰って来てくれたことにホッと一息。

しばらくはこのカードのお世話になっておこう。一歩一歩、美緒と私のペースで歩いていけるといいな。