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5 神等去出祭(からさでさい)

八重垣神社(島根県松江市)は、これまた由緒ある縁結びには欠かせない神社でして、
こちらも今回の旅では絶対に行きたい場所の一つでした。

「奥院の鏡の池」

もう、これを聞いただけで、何か使命みたいなものを感じますね。
まさに、アクティビティ。
占い用紙を購入して、心静かに池に浮かべるのです。


沈むのが早ければ、縁が早く結ばれ(15分以内ならいいそうですが)、池の奥へ奥へと紙が進めば、遠くに、浮かべた近くで沈めば近くにご縁があるという具合です。

私の紙は、結構遠くに離れて行きました。今年は海外進出でも待っているのかも知れません。
私たちの後に来た女性2人組は、浮かべた途端に沈んでいまして、
これは、やっぱり若い人にはご縁がたくさん身近にあるのね、と思いました。

 

さて、旅行2日目、最後の行程であり、この旅のクライマックスは、万九千(まんくせん)神社(島根県出雲市)。

出雲では11月が神在月。(ほかの地域では神無月。神無月は10月ですが、旧暦ですので、2024年は11月)
11月10日から11月17日が出雲大社の神有時期で、11月17日には各地にお帰りになる神々を見送る「神等去出(からさで)祭」が行われました。
しかし、出雲大社を出た神々は、そこからさらに、この万九千神社へと移り、この万九千神社では11月17日から11月26日が神在祭、そして11月27日(旧暦の10月26日)が「神等去出(からさで)祭」となるのです。私たちは偶然にして、2024年、この「神等去出(からさで)祭」に出会うことができました。

決して大きくはない、神社です。
到着した時はすでに日が落ちていたので、真っ暗。住宅街で畑か田んぼがあるような雰囲気でした。見えなかったので定かではありませんが。
ギリギリ到着した時には、駐車場に入れる最後の1台。そして、17時から始まる湯立神楽〜神殿祭〜神等去出(からさで)神事に参列しました。
厳かな舞と祝詞。見守る人々は、100名程度でしょうか。近所の方のように思えました。
神様が去ってしまうこの神事は、忌みとも言われ、おめでたいものではないそうです。
感謝と別れの祈り。とにかく不思議な空間でした。

神楽の後、最後のお立ちの儀式までには少し時間があるとのことで、神等去出そばをいただきました。あまりに寒くて、車に戻って食べましたが、おそばがとても美味しかったです。
おそばが出てくるまでにいただいた生姜湯もとても体が温まりました。

そして、いざ、神様を見送る時間。
雨は止んでいましたが、太鼓が鳴り響き、それとともに、雲が流れ、
突風が吹き荒れました。
テントが飛んでしまいそうなくらいの風に、私たちには説明のできない「チカラ」を感じました。
目に見えないものが、でも、そこにある、という感覚は一生忘れないことでしょう。

宮司さんが教えてくれました。
毎年、この日は、どんなに晴れていても、嵐のような天候になるのだと。
来年(2025年)は、12月になってしまうので、かなり荒れると思います、と。

あるのです。
大切なものは、目に見えないけれど。
信じることです。
母たちの想いもきっとそうだなと、私はここにいられる奇跡を噛み締めていました。

お立ちの儀が終わると、皆、一斉に帰宅します。
私たちも、その波に逆らわず、万九千神社を後にしました。

この日、神様は帰る準備をして、そして、翌日の午前中に、出雲大社のすぐそばにある、稲佐の浜から旅立つそうです。

 

2024年出雲旅行記録
4 アラスカから鬼太郎へ

6 海の中の賽銭箱