お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お母さん大学 プロジェクト 報告 脇門比呂子さん 『母ゴコロBOOK』第1号完成!

脇門さんがお母さん大学に入学し、ペンを持ち始めたのは2018年。「お母さん大学に出会ったのは、3人育児に心も体も疲れ果て、なんだか同じ淡々とした毎日を過ごしているような、自分の存在がちっぽけに感じている時でした」(記事より抜粋)。

そこから7年間、ペンを持ち続けた脇門さん。これまで書いた200以上の記事から120記事をよりぬき編集、全160頁の『母ゴコロBOOK・脇門比呂子』が誕生した。

制作期間はわずか5か月。企画から編集、デザイン、校正まで、すべて自分で制作するのが、お母さん大学流。なぜなら、つくる過程が楽しいから。そしてこの本が、一人のお母さんの子育て記録として、未来永劫、家族の宝であり続けると確信できるから。

「脇門比呂子」と、本名がそのままタイトルになった『母ゴコロBOOK』。文字通り、母ゴコロ満載だから共感必至、「お母さんはスゴイ!」を証明する一冊である。

ここでは「はじめに」と「おわりに」を紹介する。本編はぜひ『母ゴコロBOOK・脇門比呂子』で読んでほしい。5月に完成発表会を開催する(予定)。

 

はじめに…………………
「これまで書き残してきた母ゴコロを形に残したい!」そんな想いから始まった母ゴコロBOOK制作。藤本学長からのファーストミッションは、「これまでの記事をプリントアウトして、一人じっくり読む。わたしスゴイ!と感動する」だった。できれば「露天風呂でも入って…」の追加メッセージがあったが、もろもろの子どもたちのスケジュールが重なり、そんな時間はとれない。お母さんは忙しいのだ。

泣く泣く露天風呂ミッションは諦め、隙間時間を見つけて朝8時のカフェへやってきた。そしてたった今、7年間書き綴ってきた120個の母ゴコロ記事を一気に読み終えたところ。珈琲を片手にクスッと笑ったり、時には涙ぐんだり、若干怪しい人だとは思う。

少し前まで、早朝からカフェタイムなんて考えられなかった。子どもたちは小学生になり、私がいないとどうにもならない授乳タイムもないし、ママ~!と後追いしグズグズ泣き続ける子もいない。朝ごはんさえ用意すれば、自分で身支度をこなし、熱中しているミニバスの練習に出発していく。そんな子どもたちを見て、嬉しくも寂しくもある複雑な母ゴコロ…。

読み返した自分の記事には、24時間べったりだった小さい子どもたちとの時間があった。一瞬で当時が蘇り、2歳差三姉弟と向き合う姿に、「1人抱いておこうか?」「大丈夫!十分がんばってるよ!すごいよ!」と、横に座り、当時の私の背中をさすってあげたい気持ちになる。時に笑えるエピソードには、よくペンを持った! 書き残していた自分を、心からエライ!と言いたい。

決して「楽しい」が100と言い切れない私と子どもたちとの時間。かわいく て愛おしい…言葉では表現できない、幸せな感情を初めて味わった。

寝不足が 続くボロボロの身体で、自分が自分ではないようなぐちゃぐちゃな感情に、子どもたちと一緒に泣き叫んだ夜もあった。上がったり下がったり、まさにジェットコースターのようなお母さんとしての時間。どれもこれも大切な時間。

「お母さん」としての気持ちは宝物。お母さん歴11年。まずは一旦、ここまで一生懸命に「お母さん」やってきた自分自身を抱きしめたいと思う。

まだまだ、私と子どもたちとの時間は続く。120個目の記事のタイトルが 「母の悩みは永遠に続く…」だった。母ゴコロBOOKの話が出る前の記事なので計算したわけでもないのに、最後にこのタイトル!と笑ってしまった。

成長し何歳になろうとも、お母さんとしての私は続いていく。お母さんの卒業ってないんだろうな。せっかくお母さんになれたんだ。まだまだジェットコースターの気持ちを味わって、書き残していこう。いつかヨボヨボのおばあちゃんになって、クスッ と読み返す日を楽しみに…。
2024年11月  脇 門 比 呂 子

 

おわりに…………………
母ゴコロBOOK制作、全ての作業が終わったのは深夜。静まり帰ったリビングで、こうしてペンを持つ。黙々とパソコンと睨めっこする私に、「先に寝るね」と言い、子ども部屋に向かった長女と次女。「オレは終わるまで待ってる!」と、結局ソファで寝落ちした末息子。もう誰も夜泣きすることのない静かな夜。大きくなったな。

7年間で200個以上の記事を書き、選んだ120個をこうして一冊の本にまとめた。当初、1歳、3歳、5歳だった子どもたちはみんな小学生になった。制作中、「これ誰の話~?」「こんなことあったんだ!」と、覗き込む子どもたちと盛り上がったことも。

べったりと三姉弟で過ごしていた時間も、今はそれぞれの友だちと過ごすことが増えた。スリーショットを撮る機会も減った。イヤイヤ期のように毎日ネタの宝庫だった時代は過ぎ、中学生になる長女に至っては、記事を投稿する前に一声確認するようになった。おもちゃが散乱していたリビングが懐かしい。

自分が一生懸命「お母さん」している時間を残したい。そう思い、書き残してきた120個の母ゴコロ。読み返すと一瞬でタイムスリップするような不思議な感覚。そのときにしか残せない大切な時間がそこにあった。

今の私には書けない想いが、書き綴られていた。同じ毎日の繰り返しで、どんどん社会から取り残されていくような焦燥感。「今日も私何やってたんだろう。何にも前に進んでない」と落ち込む日も多かった7年前。

母ゴコロを書き残すことで、日常の中に、喜びや驚き、何ともいえない幸福感、子どもたちがいるからこそ、感じられることがあることに気付けた。かけがえのない日々を、「お母さん」である自分を十分に感じている。そんな自分に自信が持てるようになった。

子どもたちへ。キミたちのおかげで、お母さんは今まで味わったことのない幸せを感じたよ。たくさんのことを教えてもらったよ。かわいいと思うのは小さいときだけ?いやいや、今だって十分かわいいし、愛おしいし、大好きだよ。お母さんにしてくれてありがとう。キミたちと過ごした時間、たくさんの母ゴコロは、何にも代えようのない私の宝物です。

この先どんな風に成長していくのかな。「うっせ~くそばばぁ!」と言われる日はくるのかな?どう接したらいいのかと悩む夜もきっとくるよね。そんな日にはこの本を読み返して、小さい小さいキミたちに応援してもらおう。

この本を読んでくださったあなたへ。フツーのお母さんである私の日常をお読みいただき、ありがとうございました。子育て中の方には、自分の母ゴコロを感じるきっかけになれたら嬉しいです。一緒にお母さんやっている仲間がここいるよ、一人でないよ。そう感じてもらいたいです。

最後に、制作のきっかけをくださったお母さん大学藤本学長。校正、デザインのサポートをしてくださった編集部の青柳さん、金子さん。長いことパソコンと睨めっこだった私を見守ってくれた夫。これまで支えてくださった家族、友人、地域の方々。そして、毎日たくさんの母ゴコロを感じさせてくれている3人の子どもたちに感謝の気持ちでいっぱいです。
2025年3月  脇 門 比 呂 子