池田家のバレンタイン戦争が2018年2月14日のAM5:50におこった。
それは長女(小5)の「信じられない」という発狂じみた言葉からはじまった。
仲良しのお友達と友チョコを手作りして交換しようと約束してきた彼女。
バレンタイン前の週末、せっせと楽しそうにチョコづくりを妹(4歳)とはじめた。
昨年は作る作ると言いながら、結局時間が過ぎてしまったため、
彼女にとってはおそらく人生初の「友チョコ手作り記念日」だ。
友達のためにと丁寧に丁寧に作られたチョコを
固まるまで、それぞれバットに入れて冷蔵庫へ。
いつもならつまみ食いをしているはずだが、
ほとんどそれもなくちゃんと出来上がっていた。
友達との約束が楽しみなのがよーく伝わってきた。
そして、バレンタイン当日、朝ラッピングをしようと冷蔵庫を開けた途端、
その悲劇ははじまった。
作っておいたはずのチョコがなくなっていたのだ。
犯人はおそらくあいつだろう。。
長女がチョコがないとわかったのと、「あいつ」の顔が思い浮かんだのとはほぼ同時だったように思う。
「ふざけんな!」「おまえら、もう家族じゃない!」
女の子の口から出た言葉とは思えないような汚い言葉がどんどん出てくるが、
「あいつ」は知らん顔をしている。
(こういうとき、ご近所に聞かれたわけではないのに、
自分のしつけが悪くてバツが悪いような、こんな言葉遣い教えたつもりはないと自分をかばいたくなる小さな母親がいる)
長女のあまりの剣幕にとうとう「あいつ」も切れはじめた。
「だいたいが学校に持っていったらいかんやろ!オレじゃねぇし!」
決して、食べているところを見たわけではない、
しかし、これまでもだいたい
キッチンに置いてあるオヤツはいつの間にか「あいつ」に
食べられているところから、おそらく間違いないであろう犯人。
それでも、現場を目撃したわけではないので、
誰も、二人のやり取りの間に入れずにいた。
「固まってすぐにラッピングしておけばよかったね~」ともはや慰めにもならない言葉を気休めにかけてみる母親。
そんな言葉は頭に血が上った彼女たちには聞こえない。
早朝で家が壊れそうなくらいのやり取りにとうとう母親も煮を切らし、
「もーいいかげんにしなさい!!!また今日、学校から帰って来て作ったらいいやん」と怒りながらも提案してみる。
でも、バレンタインは今日。友達との約束は絶対。納得がいかない長女。
夫と子どもたち用に準備していたカップケーキを出して「これとこれを入れていったら?」と再び言ってみるがノーコメント。
リアクションすらない。母親もその態度にだんだんイライラしてくる。
ついに「ないもんはないんやけん、どうするか切り替えて考えるしかないやん!」と荒々しく突き放した。
すると「どうしたらいいかわからんとたい!!!」と心の叫びが出た。
犯人にしたてられている弟はまだプリプリして布団の中にくるまっているが、
この場をこれ以上、大きくしたくない母親は
お願いだから、静まってくれと声をできるだけ荒げないように気を配りながら話した。
「お母さんが提案できるのは2つしかない。
お母さんが用意したものを入れていくか。
お友達には説明して、また今日作るか」
すると、ハラハラしている母親の提案はまったく無視、返事もせず、
彼女が前日にほかのお友達にもらっていたものを広げ、
見繕ってせっせとラッピングをし、なんともなかったように学校へ出かけていった。
かたや犯人の「あいつ」は、いつの間にか学校へ出かけていて、すでに布団はもぬけの殻だった。
「はー」と大きなため息が出た母親。
イライラオロオロハラハラしている母親の気持ちだけが
なんだか、ちゅうぶらりんな、もぬけの殻な感じになっていたのだった。
こうして、家族崩壊寸前だった池田家のバレンタイン戦争はあっけなく終了した。
お昼間、今朝の出来事を回想しながら、
一年前に、もしこんな風になっていたら
長女は泣き崩れて、わめきちらし、自分で解決策を見出せずに学校にはいかなかったのではないだろうか。
息子も犯人にされて泣き、もう行かないと言い出したのではないかと母親は思った。
自分なりに切り替えて、なんとか決着をつけて出かけていった二人を思いながら成長を感じた母親だった。
ふぅー
今でも2月14日の朝を思い出すたびに、ため息めいたものが体中からあふれてくる。
↑4歳の娘作 4歳くらいがとっても癒されるなぁ。
アハハハハ!
「あいつ」に朝から爆笑でした。
お姉ちゃんも悔しかっただろうなぁ~・・・でもカワイイ。
他人事でゴメンなさい。
そんななかでも子ども達の成長ぶりを感じられる池田さんが素敵☆
まみさん
かわいいか~
そんな風に感じられるデッカイ母ちゃんになりたいですー
疲れ具合が半端なかったですよー
いや、絶対悔しい。
絶対許したくなくなる。
私は、カレンちゃん派で読んでしまった(笑)
謝るまで、いや、謝ってもしつこく言い続けるかもー。
なのに、自分で消化出来たなんて。
えらかー。
そう導いた、どちら寄りでもなかった彩ちゃんが、また、お母さん力発揮したなぁーと感心しちゃった。
ちゃんと、ふたりのお母さんやったもんね。
絶対に悔しいよね。
私も花蓮の気持ちがわかるからね。
真之介の逆切れも今考えると面白かったなー
二人のやりとりの間にどういうタイトルにしようか考えていた私です。
導いたというよりも、なるようになったのかな~
大変だー。爆発しなかった池田さんすごいなあ。
でも、子どもが成長してくると癒しにはなってくれなくなりますよね。
だから、また、子ども産みたくなるのかもなあとも思いました。
いやいや爆発してたと思いますよ。
それよりもお姉ちゃんのほうがすごいので、
その分、私のは緩和されるのかもしれませんが。
ほんと、赤ちゃん欲しいですー
私だったら、まじで追いかけ回して、馬乗りになって叩くな。
うん、子供の時の私だったら、それくらいしても気が収まらないかも?
そのくらい、カレンちゃんの悔しさが伝わってきたよー。
その状態で、気持ちが切り替えられるのがすごい。
そして、おそらく犯人であろう「あいつ」のしらばっくれる勇気がすごい(笑)
いや、もしかして、本当に違うとか??
「あいつ」に間違いないと思うけどね(笑)
誰のとかあまり気にせずに食べちゃうからいつもケンカになるんよね。
私がとっておいたものも何度食べられたことか。
久しぶりに読みながら、家族の中で起こる事件簿を楽しみました。
私は兄弟関係で兄二人がいてそんな経験をしたことがなかったのです。
そして我が子も兄妹でおやつなども暗黙の領域を知っていて問題はなく育ちました。
そして子どもたちが大学生になったころのことです。
冷蔵庫に入れていた飲み物を飲まれてしまった二人です。初めてあっけにとられた顔をしました。
犯人は父だったから。
そしてさすがに知恵があるから、次からは名前を大きく書いて予防線を張ってたことを思い出しました。
夫に話を聞いたら「男の世界はそんなもんや」でした。