お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

いらない

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ここ2年。
とある市の、障がいがあるお子さんの通う施設に伺っている。

「こどもたちに、音楽遊びをしてほしい」
とのご依頼で、ご縁にご縁が重なり、年に3~4回ほど、定期的に伺っている。

そこに通うこどもたちは、小学生から高校生まで。
年に数回しか私と会わないけれど、みんな「みわこせんせい~」と言って、覚えてくれている。

音楽あそびには、毎回参加するお子さんもいれば、
初めましてのお子さんもいて、
毎回毎回が違い、毎回毎回が出逢いの場だ。

夏休み中ということで、いつものように、たくさんの楽器を携えて、
今日はどんな出逢いがあるかと、楽しみに伺った。

ちょうどその日は、73年前に広島に原爆が落とされた日だった。

毎回、活動の中で、絵本を読み聞かせしている。
この日、この絵本しかない!
と思い、【へいわってどんなこと】という絵本を選び、持って行った。

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私がこどもたちに読み、バックに音楽を流す。

平和について、読み手に考えさせる、私の大好きな素晴らしい絵本だ。

この絵本をみんな、食い入るように聴いていた。

そして、あるページになった。

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大きな原子爆弾の絵が描かれてある。
文章をひとつひとつ読んでいた。
「ころしては・・・」
で間をとり、こどもたちに考えさせる。
「ころされては・・・」
で間をとり、こどもたちに考えさせる。

最後の
「武器なんか・・・」
で、止まったその時。

後ろの方で見ていたある男の子が、
「いらない!」
と大きな声で言った。

全身が震えた。

「え!?」
「今、〇〇くんが言った!!??」

と、驚いて、私は彼を見た。

そのお子さんは、この音楽遊びに今まで何回も参加してくれていたが、
多動で、ずっとひとつの活動に集中して遊ぶということが難しいお子さんだった。

言語は「あ~」「う~」と言いながら、部屋を歩き回ることが多く、
彼の自発的な言葉を聞いたり、会話をしたりしたことは、一度もなかった。

その子が、この絵を見て感じたからなのか、
武器なんか・・・の私の問いかけの後に、

「いらない!」とはっきりと言ったのだ。

あまりに感動して、
「そうだよねー!!いらないよねー!!」

そう返すのが精一杯だった。

彼に、何かが伝わったのだ、と感じた。
涙が出そうなほど、嬉しかった。

そして、私に、みんなに、「伝えたい!」という想いに彼がなったのだとしたら・・・

活動の後半。
私が出す様々な楽器の音を聴きながら絵を描く【音絵】という活動をした。
夏なので、クレヨンの後に絵具を使い、「花火」を描いた。

何という豊かな作品なんだろう。

何という色使い。
何というダイナミックさ。
何という素直さ。

紙いっぱいに、こどもたち13人の大輪の花火が打ちあがった。

こんな花火が、いつまでも打ち上げられる世界でありますように。

こどもたちの、生命力あふれる作品を見て、元気をもらった。

5件のコメント

近藤さんも、いろいろなことをやっているんですね。
でも、どれも、めざすところは、同じ。

お母さんの愛にたどり着く。

子どもたちが、それを私たちに教えてくれるんですね。

藤本さん。
こちらにもコメントありがとうございます。
母業も本職ですが、音楽療法士としてのライフワークは、私の人生と命をかけて大事にしている本職です。
こどもたちからいつも学びたいと思っていますが、
特に障がいのあるお子さんは、とっても大事なことを、シンプルに教えてくれます。
彼らが、私の大先生です。

記事をよんでゾクゾクしました。

彼はこの絵本で心が揺さぶられたんだろうなぁ。

美和子さんの活動は障がいのあるお子さんの心を表現できる
大切な場なんだろうな。
表現できなくても、心の中にいろいろなものが生まれているんだろうな。

美和子さんと関われる子ども…大人もですね、は
幸せですね(о´∀`о)

わー!!ぴぃさん、ゾクゾクって嬉しいな~♡
もうね、ビックリして、感動という言葉では足りないぐらいの嬉しさだったよ!
思わず、その場にいた先生方と顔を見合わせて、
「え!!!??〇〇くんが言ったの!!??」と、アイコンタクトで確認し合いました。

言葉というのは、氷山の一角だから、その根っこには、目に見えない世界が広がってるんだよねー!
普段、実は言葉があることが邪魔になることもあるし、
だけど、言葉で表現しなくても、それ以外のあらゆる方法で、
彼らが教えてくれるものほど、真実はないなーといつも感じるよ。
責任と覚悟を持ってこどもたちと関わっているつもりだけれど、
同時に、自分の至らなさと向き合い続けなきゃいけない仕事だからこそ、
こういう「一瞬」の感動を味わうと、もうやめられないライフワークなんだよー♪

暑さとやる気のなさでこのところ寝転んでばかりです。
スマホでは記事を読むだけ、パソコンを入れると指が動き出しますが
障碍の子の心の叫びこそ、日ごろ平和を表面的にとらえている私たちにガツンと刺激を与えてくれた・・・と
そんな風に感じ取りました。
戦争の根底には差別意識がはびこっているというのを歴史を知っていけば感じること。
差別がなくせない厄介さと向き合うしかなく、思考停止したり無視したりするのを感じたら周辺のややこしさが
強くあること・・・などを考えるこの頃です。
人類の最大のテーマが戦争と平和の関係ですから、戦争を知らない世代が増え続けていく先進国の共通の問題ですね。
感じたことを音と絵で表現することって、大きなエネルギーの発掘作業ができるんだなと思いました。
この日の花火は、戦争の火花とも重なったエネルギー放出のように感じました。

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ABOUT US
近藤美和子
岡山県出身。大学は島根。就職は山口。結婚して愛媛へ。 2015年春に、愛媛から福岡に転居し、お母さん大学に出逢いました。 現在、小6と小3のわんぱく息子2人のお母さんをさせてもらっています。3年前から、わたし版【筑前町ゆりかご版】を書いています。 また、音楽療法士として、障がいのある子どもたちと関わる仕事をしています。 「お母さん」であることを、悩みもがきながらも、全身全力で楽しみたいと思っています! 好きなことは、自然・音楽・読書・ひとり旅・食べること・歌うこと・人と交わること・高校野球です♪