お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

もう一つのふるさと(10月号宿題 居残り)

私が21歳で結婚を決めたのは、夫の生まれ故郷があまりにも美しかったからかもしれない。
連れて行ってもらって、驚いた、

見たことのないような海と山が広がる和歌山県東牟婁郡太地町。
捕鯨発祥の町で、小さな陸続きの島だが、観光の町だった。
こんなに美しい場所で育った人間なら悪い人はいないだろうと純粋に思った。

毎年夏に訪れては、
磯で泳いだり、川に飛び込んだり、絵に描いたような「THE夏休み」を過ごした。
まだ長女が乳児の時は、長旅で無理をしたのか乳腺炎になり、町の病院にお世話になった。
お義兄さん家族と時期を相談して合流したこともあった。

毎年家族みんなで行くことができると信じて疑わなかった。
あの夏、
いつものように和歌山へ行く前に、鈴鹿サーキットで遊んでから行く計画を立てていたけれど、
それは叶わなかった。

夫がいなくなってからは何となく行きにくい。
余裕もなくそれどころでもなかったが、
子どもたちは和歌山に行きたい!とずっと言い続けていた。

4年が過ぎ、久しぶりに行ってみようか!という気持ちになった。
一人で運転するには長い道のりだが、
子どもたちも大きくなったし、おばあちゃんにだって会いたいし。
そうしてここぞとばかりにアチコチ観光して、
勢いで、白浜のパンダまで見てきたのでした。

「和歌山に帰る」感覚にまではならなかった。
もう少しだったのかもなぁ。
でも、私のふるさとの一つだと思っている。
次男はザトウクジラが生き物の中で一番好きだと不思議なことを口にするし(笑)

締め切りに間に合わなかった。
自主的に補講居残りです。

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植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。