副鼻腔炎の再発治療が何度も来るたびにうんざりするが、楽しみを見つけるのは
待合室での人間観察である。
本を必ず持参していくのだけれど、それを読むことがない時もある。
患者が少ない時、幼い子どもと母の様子が観察できる時。
そしてこの度は隣の年配婦人から声をかけられた。
「ここは予約を携帯電話でできるんですか?」と。
予約の…さんという案内にそれを感じ取られたのだろう。
「はい、ネット予約ができます」と言ったら
「ガラ携帯でできますか?」と言われたので
「ネットにつながればできるんでしょうけど・・・」と思っていたら
「パソコンは主人が使うから・・・」と言われたので思わず聞いてしまった。
「パソコンをされるんですか?」
「はい、主人が退職する時何を買おうかということになってパソコンを・・・」と
そこから話は昔の婚姻の話で姑とうまく関係が持てたこと、子どもと孫の関係、
大阪弁ではないことに気が付き今度は四国の出身だという話へ・・・
順番が来て診察台でいつものように鼻に機械を挿入され・・・
「大丈夫になりましたね。これでしばらく様子を見ていきましょう」と医師。
「あと2週間ぐらい薬を飲んだらいいかなと思ってきましたが、その必要はないと
いうことですね。また具合が悪くなったら来るということでいいんですね・・・」
これからはアレルギー患者が増えてくるはず。
今のところ鼻アレルギーにはかかっていなさそうだ。やれやれ・・・
次の患者は4歳児くらいの男の子が待っていた。
「頑張れる?・・・」とお母さんが診察前に恐らく子どもに診察時の話をして
子どもに覚悟をさせてきたようだ。
それを小耳にはさんで「うん、なかなかいいぞ!男の子は初めてなのかな・・・」と
思いながら私は吸引を始めたその時である。
診察室から「こわい・・・」と男の子のか細い不安な声が漏れた。
「こわい、こわいよ・・・」に看護師が「こわい?」と同調の言葉。
うん、これもいい感じの言葉かけだ。
そのあと「痛い、痛いよ・・・」と泣き叫ぶ声に。
医者と母のやり取りからどうやら中耳炎らしく、それも治りかけ状態になっている
そんな様子が漏れ聞こえてくる。
耳か・・・うちの息子も6歳までは何度か中耳炎になったな。
私は1歳のころから予防注射などを受ける前に目を見て真剣に話したことを思い出す。
親の真剣さは子どもに受け止められることをひたすら信じて言えば、通じるという
経験を私はしたのである。
息子はその典型であり、中耳炎の時にもぐっと我慢する子に育っていたが
目の前の子は泣いているから、私は「うん、痛いよね。我慢できているね」と
一人応援者になっていると
「痛くない、痛くないよ・・・」とお母さんの声。
ああ、残念だ。
痛いと叫んでいる子に痛くないの言葉かけは残念だよ。
子どもは僕の痛みをわかってくれないと思うかもしれないよ。
終わったら「よく頑張ったね」と一声かけたら帳消しになるかもな・・・
きっと看護師さん達がまずはかけてくれているはず。
そしてお母さんも・・・
みっこさん
耳鼻科で夢ひろばやってますね。
ちゃんと、バックに、アメちゃんと新聞、入れていますか?
いつでも、渡せるように、よろしくお願いします。
夢ひろばが地域に広がるために。
藤本さん
アメちゃんも新聞もバッグにこれまで入れてなかったです。
これからは新聞は忍ばせるように意識していきたいと思いました。
はい。どさっと送ります。
藤本さん
そこまではご勘弁ください。
私は今、引きこもり生活を楽しんでいるんですから
あくまで私の読み終わった新聞を忍ばせておくという意味でした!