私にとっての母の味は、思い出してもこれと言ったものがない
三世帯家族で、祖父母、叔母二人、両親と妹弟の九人家族
母は、沢山の量をやりくりしながらどうにか作ってた
外食はほぼなくて、デパートのレストランも
祖父母につれていってもらう程度
両親と外でご飯なんて年に一回あるかどうか特別なものだった
家で食べる母の味は、母の苦労の涙の味だったかもしれない
どれも美味しかったけど、祖父母や叔母の心無い言葉で
美味しく感じない日もあった
祖母の料理が沢山並ぶ日も多く、
私の中の母の味はいつしか祖母の料理の味になっていた
無理して、母の作った私の嫌いなメニューでも
美味しいよっていいながら食べたこともあった
私が作れる料理はいつしか、
母の作っていたものではなくて
古くさい祖母の料理ばかり。
そんなメニューを子供たちは喜ばず
いつも箸をつけてくれなくなった
私の子供たちには
子供たちの望む食べたいものを出してあげたい
そう思っていたから
外食も沢山したし、美味しいお店のテイクアウトも、
子供たちが喜ぶと思ってよく買っていた
だけど、
本当に子供たちが食べたいものは
実は手作りの母の料理だったと最近知った
不器用な私の焼き飯や、
誰でもできるお味噌汁が
子供たちの特別なメニューになっていた
そういえば、お総菜を買って並べた日は
ふりかけご飯ばかり食べてたっけ
お味噌汁がある日は
ご飯を沢山おかわりしてたね
私の記憶の母の味は
子供たちの記憶の母の味とは違っていたみたい
ママはもう少し、お料理頑張るよ
うぅ・・・わかります・・・。
息子たちも、私のなんの変わり映えもない、普通につくったカレーが好きだったりします。
それを見ると、もう少しがんばろうかな・・・と思います。
料理を美味しくするのも、子どもたちの「おいしい!」だけだよなぁ。
お母さんの苦労とそれを感じ取っていた薄さんの思い。
いろいろな家庭があり、いろいろな家族関係があり、
その中で食事って本当に全てが凝縮されるかもしれませんね。
私もコンビニはうちの冷蔵庫って思っているダメな母親なのですが、
それでも夕飯の時は味噌汁をつくっています。自分が食べたいからというのもあるけれど…。