私と夫には、結婚後5年間子どもがいなかった。
それはそれで、夫婦ふたりで仲良く楽しく暮らしていた。
私に持病があって服薬していたため、
妊娠することを禁じられていたからなのだが、
何も言わない夫を見ては
「きっと本当は子どもが欲しいんだろうなあ」と私は思っていた。
そして持病がよくなり、服薬生活から抜け出せたところで、
そろそろ子どもが欲しいね、という話になった。
お互い29歳で結婚して、その時すでに34歳。
できれば早く欲しいと思っていたところ、
ありがたいことにすぐ妊娠した。
生理が遅れて、
これは絶対妊娠してる、と思った私に対して、
「またまた~、そんなすぐに妊娠するわけないじゃん」となぜか否定する夫。
でも、検査薬を使ったら陽性。
「うわー!」と混乱する私を見て、
「とりあえず病院行ってきなよ」と一言言って会社に行った夫・・・
え、なに?この温度差。
そして病院に行き、胎嚢があるのを確認して、
夫にメール。
その返事は、
「やりましたね」
・・・。
なんだその返事?!
うれしい、とかじゃなくて?!
ちょっと変わった感性を持っている人だとはわかっていたが、その返事は一体・・・
その後無事心拍確認できて、母子手帳をもらい、
当時は神奈川県に住んでいたので、里帰り出産の準備とか、
すぐに始まったひどいつわりとか、
とにかく、身体と心と環境の変化についていくのに必死だった私に対して、
夫はいたって普通の日々を過ごしていた。
だんだん大きくなるお腹と裏腹に、
どんどん不安になる私。
この子をちゃんと育てていけるのか、私はお母さんとしてちゃんとやっていけるのか、
不安ばかりが膨らんで、夫に泣き言を言う。
「不安だ、心配だ、ちゃんとできる自信がない」
けど返事はいつも、
「なんとかなるよ」
はあ???
なんでそんなに楽観的なんだよ?!
そんなのわかるわけないじゃん!
イライライライラ・・・
妊娠9ヶ月の時に名古屋の実家に里帰りし、
夫と離れての生活。
とりあえず毎日電話はして、
2週間に一度は新幹線に乗って会いに来てくれた。
幸いなことに妊娠経過は順調で、
臨月に入ってからはいつ産まれてもいいように準備をしていた、
そんな予定日一週間前の早朝。
いきなり破水した。
両親をあわてて呼び、病院に電話し、
夫に電話。
「破水したから今から入院する!」
「おお、わかった。一旦会社行くけど仕事キリつけてすぐ名古屋に行くよ」
朝7時に入院して、ずっと両親が付き添ってくれていたけど、
待てど暮らせど夫が来ない。
やっと来たと思ったらなんと14時。
「なんでこんなに遅いの?!」
「ごめん、ケータイ壊れてショップ行ってた」
なんでよりによって今日壊れるのさ・・・
だんだん陣痛が強くなってきてパニックになる私の横で、
これまたいたって冷静な夫。
私が「看護師さん呼んで!」と叫べば、代わりにナースコールを押し、淡々と状況を伝える。
一緒にうろたえるでもなく、
がんばれ!と励ますでもなく、
ただただ、じっとそばにいて、時々スマホを見て、私の要求に応えながら、その時を待っている。
そしてついに赤ちゃんが生まれる時!
生まれた!
カンガルーケアを少しだけして、赤ちゃんは処置や計測のために隣の部屋に連れていかれた。
ふと気がつくと、そばにいたはずの夫がいない。
あれ?どこ行ったんだろ、と少し身体を起こして隣の部屋を見たら、
・・・赤ちゃんの写真を撮りまくってる夫の姿が!!!
まるで推しのアイドルの撮影会のようなノリで写真を撮りまくるその姿に、とにかくびっくり。
その時夫が撮った写真。
代替機だからボヤけてる。
まさにそれが「パパスイッチ」の入った瞬間、だった。
妊娠中も出産の時も、本当に冷静で、
この人は父親になる自覚はあるのだろうか、と、それこそ不信感すら覚えていた私だったが、
その気持ちは、赤ちゃん・・・長男が生まれた瞬間に吹き飛んだ。
ちなみに、後日助産師さんから、
「あんなに冷静なご主人、なかなかいないよ。
大抵の人は取り乱したり落ち着きがなくなったりするから。それで奥さんが余計にイライラしたりね。
だから、落ち着いたご主人でよかったね」
と言われた。
出産後、夫は一旦神奈川に帰ったが、
退院する日にはまた名古屋に来てくれて一緒に退院し、出生届を出した。
パパスイッチの入った夫は、
私と長男が名古屋にいた3ヶ月間、
なんと毎週末名古屋に来た。
金曜の最終新幹線で名古屋に来て、日曜の最終新幹線で神奈川に帰る。
「今週は行くのやめようかな~」と言っていても、
金曜の夜になると「やっぱ行くわ」と言って来る。
そして土日は長男を愛でまくり、また帰っていく。
愛でているところ。
新幹線代も半端なかったと思う(笑)
そのパパスイッチは、長男が4年生になった今でもずっと入ったままで、
次男も生まれたのでさらにパワーアップしていて、
息子たちとの時間を毎日とても楽しんでいる。
溺愛するだけでなく、父親としての威厳もちゃんと保っている。
家事育児一通りできるので、
私がいなくても全然困らない。
(部屋は散らかるがまあ仕方なし)
神奈川にいた時に入っていたパパママサークルで、
サークル最終日に、最後の挨拶で夫が言ってた言葉、
「子どもに対して恥ずかしくない背中を見せられるような生き方を、これからもしていこうと思っています」
とりあえずこの10年は、恥ずかしくない背中を見せていると思う。
これからも、パパスイッチONのままで、
一緒に楽しく暮らしていけたらいいな。
ご結婚された時にすでにパパスイッチを持っていらしたのですね。そして子供の顔を見てスイッチオンになったのでしょう。
冷静さも只者ではないようですね。
奥様への深い愛を感じます。
これからも仲良くお過ごしください。
やだ!泣ける!!!
すごい素敵な旦那様♡
読んでて、私が好きになりそうでしたよ!あぶない!笑
どっしり構えてくれる旦那さんがいるから、天野さんがワタワタ不安になったり涙を流せて前に進めるんだろうな〜!
そして、いつのまにか岡崎支局の代表に!!
その裏には素敵な旦那さん。
これもネタですな!!
ほんと、やさしい旦那さんですね。
幸せですね。
脇門さんに取られないように、気をつけてね。
あぶない、あぶない。
すごくいいお話です〜♡(泣)
いい旦那さんですね!
天野さんも頑張ったことは間違いないけど、とにかく冷静さを失わないパパさんは凄い!
二人で心配したり不安になるとロクなことはありません。
夫婦の関係はこんな風になっていくのがとてもいいな~という記事でした。
特に男の子にとってはパパの生きざまがモデルになると素敵ですよ。
そのパパがママを大事に思っていることが伝わっているのだから、これからが楽しみです。
素敵なご主人ですね〜。
毎週末帰る距離でもないのに、言葉はなくとも行動で愛を感じられる。
そして、恥ずかしくない背中、私も見せられるように頑張ろう!そう思いました。