お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

ロウソクの数だって自由でいい

10年前。夕方の破水から3時間後、あっという間に、本当にスポーン!と生まれてきた次男。

そこから私の世界は大きく大きく広がった。

14年前の長男の時も、そこそこ想像していた出産とは違ったけど。

子育てだって心疾患があったので病院通いから始まり、

引っ越しで見知らぬ土地でのワンオペ育児。

なんだか自分が思い描いていた「子育て」とは全然違った。

ところが次男はそのさらに斜め上を超えていた。

まさか左手首から先が無いなんて。

長男が心臓の疾患を持ってきたので

「次はこう来たかー!」と思ったのは

ハッキリと覚えている。

でも同時にワクワクしたのも覚えている。

私が今まで出会ったことのない

新しい世界に入り込んだ!と思った。

これから何が起こるか分からない。

私が想像できないことがきっと起こる。

それから10年。

確かに私が今まで経験したことのないことばかり。

長男の時とは違うことも多々あった。

もちろん良いこともたくさんあったけど、

傷付いたこともたくさんあった。

きっと私はマシな方だけど、

あぁ、世の中はまだこんなに歪んでいるんだ、と思ったのは間違いない。

これじゃあ、子どもを産みたくなくなるし、

育てるのも嫌になって当たり前。

まだまだ偏見だらけで

「こうじゃなきゃ!」という呪いに苦しめられているお母さんが多い。

いや、きっとお父さんやおじいちゃんやおばあちゃんも。

子育てはもっと自由で良いし、もっと面白がって良いのだ。

たとえ、わが子のように心臓に異常があっても

左手が無くても。

面白がって何が悪い?

悲しまなきゃダメ?

辛くないとダメ?

哀れなくちゃダメ?

乗り越えなきゃダメ?

五体満足じゃないとダメ?

私は息子たちのお陰で、自分が今まで見えなかったものが見えてきた気がする。

特に次男が生まれてきてくれたおかげで

本当に人生が深く豊かになったと思っている。

でも私もまだまだ知らないことが多い。

だからもっと知りたいと思うし、見つけたいと思う。

そして、そんな背中を見て息子たちには育ってほしいと思う。

あ、でも全部は真似しないでね。

ダメな所もたくさんあるから。

左手が自慢の、ちょっと気が強いこーくん。

あなたはきっと周りを明るく照らす光になる。

お母さんはいつまでも味方だよ。

こーくん、こんなに愉快な人生をありがとう。

(写真はすっかり撮り忘れたケーキの残り。本人の意思で「ロウソクは溶けたらケーキについて困るし3本くらいで良いよね!」と本当に3本だけ。立派!)

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ABOUT US
智原美沙
広島生まれ、広島育ち。思春期真っ只中の長男(17歳)と、1歳半から反抗期の次男(12歳)2人のお母さん。福岡市わたし版ひなたぼっこ版編集長。NPO法人Hand&Foot正会員。自分のこと、日々のこと、子どもたちのこと、左手全指欠損の次男のことなどを書いています。