息子のハムカツ

もうすぐ９時をまわろうとしている
ある晩のこと

台所で次男（24才）が何かをしている
「ハムカツ作ってみたかったんだよね」
こんな時間に料理かい！
材料に使うハムはもしや！

賞味期限5/3の
ハムステーキ６枚パックがある
まだ日にちもあるしと思い
冷蔵庫に眠らせておいたのだが

それを彼が叩き起こして
卵を下地にして
パン粉を着せて
着々とハムカツの
準備を進めていたのだ

ちょっと待ってよ！
私はそのままフライパンで
焼いて食べるが
気に入っているのに〜

「2枚は残ってるからいいでしょ」

すでに尾形家4人分のハムは
揚げるだけの状態になっていた
あーあ　ほんとに美味しいの？
2枚は残ってるからいいか
次男はハムカツが大好きだ

仮に息子が
私にハムステーキをハムカツにしてと
言ってみたところで
母ちゃんの返事は「面倒くさーい」
となるのは彼が1番よく知っている

彼は鉄道模型のNゲージが趣味である
時間さえあれば
鉄道模型をいじっている
どうやら細かい作業が好きらしい
それが料理作りにも通じているのだろうか

母の不器用な遺伝子は
受け継がなかったようだ

長男（27才）はハムは苦手だが
食べるか聞いてみたら　食べたいと言う
ハム嫌いな彼がとは思ったが
食べてもらおうじゃないの

次の日の朝
「うまい！」と長男
ハム嫌い克服か！
「いいね！」父ちゃんも
私もがぶり！
確かに　美味しい　
こうして食べるのもありか

そしていよいよ　次男の登場だ！
ところがだ

実はハムカツを作っていた時から
遡ること10時間半
次男はコロナワクチンを打っていた

そのせいで夜中から熱を出し
真っ赤な顔をして
ベッドから動けなくなっていた
あー！
元気になるまで
ハムカツはおあずけだ