お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

桃と母と私

果物屋の娘だった私。
いつも果物に囲まれ、ときにはうんざりしたこともあった。
車で家族旅行したとき「のどかわいた~!」と言うと
梨をむき出した母には、なるほど、というか、がっくりというか、複雑な気分だった。

でも、よその子から見たらとってもうらやましい環境だったようだ。
「さっちゃんのおうち、いい匂いする~!」
「いつもおいしいもん食べられていいなぁ」
遊びに来たら果物は食べ放題、
帰るときにはお土産にと、みかんを手に握らせる。
運動会のときもみかんやバナナを配るような母だった。

家では常に母が用意した果物があった。
皮をむいて、食べやすいように小さく切って。
いよかんや八朔は袋から出してすぐ食べれるし、
イチゴはつぶして練乳がかけてある。
スイカも一口サイズ、ゆで栗は皮をむいて。
兄と違って、自ら進んで食べない子だったので、あとは口に入れるだけにしてあったようだ。
ひどいときは逃げようとする私の口にほうりこまれる始末。

でも、ちょっと他とは違ったのが「桃」だった。
子どもながらにお手伝いするのに、ミカンやリンゴは簡単に触ったが
桃だけは「待った」がかかった。
「はしかいから、触ったらあかん」と言われていたが
実際は大切な商品が、不用心に触って傷つけたらあかんということだったと思う。今思えば。
「これだけ技術が進んでも、桃は夏にしかでけへんねんで」
私がいつのまにか「桃」を尊敬するようになった一言。

夏休みに親戚の家で従妹たちとお泊りしたとき、
おばちゃんが一人一個ずつ、桃を渡してくれた。
それまでちゃんと触ったことのない桃が私の手の上に?!(汗)
どうすればいいのか固まる私に、従妹が「くだもんやの子やのに知らんの?かぶったたええねん」と教えてくれた。
(みかん)箱入り娘の私にとって、地球がひっくりかえるような出来事だった。

母に桃事件を話すと大笑い。
今でも桃をむくときに思い出す。
新鮮なものにかぶりつくのが美味しいとは思うけど、私にとっての一番は母がむいてくれたものだった。
安心して食べられる、ということかな。

3件のコメント

ご実家が果物屋さんとは聞いていましたが、果物屋さんだとそんな贅沢な環境だったんですね~。
うちは、果物買うのもごくたまで、この前、自分の買い物の種類別折れ線グラフみたいなのを作っても、果物が少なかったので、うらやましい環境です。

桃にかぶりつき、それはまた贅沢な食べ方ですねー。
お母さまのお話をするということは、もしかして宇賀さん、お誕生日でしたか?
(藤本さんが、お母さん大学では誕生日に母を語るっておっしゃってたな~と思い出して。)

この記事読んで、桃が食べたくなって、昨日、スーパーで買いました。

戸崎さん、宇賀さんの誕生日は、3月です。

なんで、急にこの記事を書いたのか、わからないけど、

宇賀佐智子ちゃんの幼い日を楽しませてもらいました。

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ABOUT US
宇賀佐智子
大阪の宇賀佐智子です。30歳長男・27歳長女の母。大阪エリア版編集長を2018年から4年間務めました。子育てが楽しくなる大阪、誰もが子どもたちの未来を考える大阪、美味しい楽しい大阪を目指します♪