私は、「おはよう」と言う。
あなたがまだ、私の顔もみえなくて、
聴こえているかもわからなくて、
もちろん言葉も知らない時から、
毎朝、毎日、ずっと。
私は、「おはよう」と言った。
あなたがまだ、つたないことばで、
粒のようなかわいい声で、
ぎゅっとまとわりつくのを見ながら、
それは、ほんの、一瞬。
あなたはいま、目も合わせない、
布団から出ないまま、
狭い廊下ですれ違いざまに、
ため息、舌打ち、マジ腹立つ。
それでも、
私は、「おはよう」と言おう。
わたしがいつか、この世からいなくなり、
あなたがもしも真っ暗で、
どうしようもない夜を過ごしても、
必ず、朝が訪れると、思えるように。
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