晴れた春の日。実家で朝ご飯。そして桜並木を歩いて思い出したこと

すっかり桜も咲き誇っているのに、なかなか晴れず空気もひんやり。雨に濡れる桜もきれいだなぁとは思いつつ、やっぱりお日様浴びて桜並木を歩きたい！

と思ったら、やっと朝から晴れた。そこで近くに暮らす母へのモーニングコール。

「おはようございます〜！朝食はまだでしょうか？」

「何よ、その言い方」

「いやぁー。いい天気！やっと晴れたね！桜も見頃だし、そちらで朝ご飯を頂いてから一緒にお散歩しない？」

「まーったくぅ。調子いいんだから。いいわよ、今から準備するからおいで！」

よし！決まった✨私が突然思い立って行動する母だってことは、うちの子たちはもう知っている。

まだぼんやりモードの子たちに着替えを促し、さぁ、突撃！実家の朝ごはんへ。

仏壇に手を合わせながら、

「おはようございます！お招きありがとうございます」と、本当に図々しい私。

「呼んでないわよ！」なーんて言いながら、具沢山の朝ごはんを用意してくれた母。

テーブルには、最近父が手作りにハマっている砂糖不使用の発酵あんこも。

私と子どもたちはペロリと完食し、

さぁ、桜並木へ！

最近、膝が痛いという母のゆっくり歩くペース。それに合わせる父。桜目がけて一目散の子どもたちの先行く姿。そして満開の桜。

「本当にいい所。わざわざ遠くに花見しに行かなくていいし、なーんて幸せなことでしょう」と母。

強引に朝ご飯を食べに来た娘だけど、みんなで一緒に今年も桜を見られてよかった。（夫は残念ながら三重県勤務中で不在だけど）

ふと思い出した。

８年前の今頃、産後うつで倒れてアメリカから戻ってきた私は、母と幼い我が子たちとこの道を歩いた。２ヶ月も不眠症で気力体力も少しの自信も消え入り、楽しげに花見をしている母子を見ながら、

「お母さん、私もいつかこんな風になれるかな・・・。なっていいのかな・・・」。

そうやって涙を流しながら娘が眠るベビーカーを押し、息子の手を引いて歩いていたことを。

「なれるわよ！だーいじょうぶよ。だいじょうぶ。きっとすぐ来るわよ、そんな日が」。

あの時もそうやって励ましてくれた。そんな日はちゃんと来ている。毎年。毎年。子どもたちのはしゃぐ姿が愛おしい。今年で小６と小２。3月生まれの息子は11歳になった。もうすぐ、親と花見は行かなくなり、仲間との時間で埋まっていくのかな。

そう思うと、本当に一瞬一瞬が宝なんだな。こうやって甘えて朝ご飯を食べられるのも、一緒に歩いて桜に惚れ惚れしに行くのも。

季節は巡る。時は経つ。今日という日の桜も忘れられそうにない。