お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

百万人の夢宣言/世界中の福祉を学びたい  藤尾さおり(神戸市)

自閉症の長男(23)、次男(18)、里子の長女(7・写真)の母です。NPO法人そらしど代表として、障害児とその親たちがホッとできる場づくりをしています。
私の夢は、「世界中の福祉を学び、日本に合うものを取り入れること」。生まれたときから、みんなで育てるという社会があれば、障害を持って生まれた子も親も孤立することなく、家族だけで悩むことはないはずです。
14年前、『自閉症の僕が跳びはねる理由』の著者、東田直樹さんのドキュメンタリーを見てショックを受けました。私は長男のことをわかっていなかったんだという懺悔の気持ちと、これからの可能性や希望の喜びに号泣。すると当時小学3年生だった長男がスッと寄ってきて、私を抱きしめてくれました。「大丈夫だよ。お母さんの気持ちはわかっているよ」そう言われている気がして、もうぐちゃぐちゃになりました。
文字盤を使って「す」「き」と伝えてくれたのは、その1年後。ずっと「好きやで」と伝えてはきましたが、まさかそんな風に伝えてもらえるなんて思ってもいなかったので感動でした。今も発語はないけれど、「好き」は力になると信じています。
障害も里親問題も同じ。一部の人の活動にするのではなく、誰もが気軽に知り、ふれあう機会をつくること。どんな命も、生まれた瞬間からみんなで育む社会をつくることが必要です。そのためにできることを精一杯やっていきます。(文・池田彩)

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