お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

百万人の夢宣言/子ども療養士になること 岸 千尋(横須賀市)

6歳と3歳男児の母です。私は小学5年生の頃、大学病院に2か月入院しました。病棟には保育士さんがいて、入院中の子どもたちが少しでも楽しく過ごせるようにとサポートしている姿を見て、こんな仕事ができたらいいなと、漠然と思いました。

高校の進路指導で相談すると、「アメリカにはチャイルド・ライフ・スペシャリストという資格があるけれど、日本にはまだないね。だけど諦める必要はないよ。焦らずに、今からできることを考えたらいい」と先生。

夢を叶えるために学んでおくべき3つ(英語、保育士や幼稚園教諭、心のケア)の勉強を、一緒に考えてくれました。おかげで幼児保育の道へ進み、15年になります。
ところがいつしか母となり、息子たちと毎日を慌ただしく過ごすうち、すっかり夢を忘れてしまっていたのです。

そんな中、長男(当時2歳)が入院。子どもと一緒になって不安に陥っていた私ですが、「子ども療養支援士さん」が来て、息子が眠りにつくまで絵本を読んだり、お医者さんごっこをしながら検査室まで歩いたりしてくれました。

「子ども療養支援士」こそ、学生の頃に描いていた夢の仕事だと気づきました。日本でも資格ができていたのです。

そして先日、今度は私が入院をすることに。しかも、なぜか小児病棟入り。コロナ禍で親と会えない子どもたちと10日間を過ごしました。そこでも活躍していたのは、子ども療養支援士さんでした。改めてスゴイ仕事だなと、自分の「やりたい気持ち」を再確認しました。 (文・池田彩)