お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

多様な母たちとの 言葉と時間の共有で

カーレーサーとして20年間、世界70か国を転戦してきました。

時速350キロの世界では、繊細さと丁寧さと強さが必要です。

自分がハンドルをきるタイミングを0.1秒でも間違えたり、整備士がネジを締め間違えてタイヤが取れたりしたら大変なことになりかねない生死をかけた仕事。

自分と他人を信じる力を要する仕事でもあります。

またカーレースは男女区別がない競技。世界最高峰レースともなれば、私以外は世界中から集まってきた、強靭な精神力と体力を持ち合わせた男性ばかり。

「そんな環境でなぜ、めげずに女性ドライバーとして世界一になれたのですか?」と取材でよく聞かれます。

私が住み込みでトレーニングをしていたフランスのスポーツ科学研究所の分析によると、「幼少期に母が、厳しくも最後はいつも認めてくれたこと」「学校の先生や親戚、ご近所の方など“多様なお母さんたち〟に多くの時間を接してもらったこと」に由来すると結論付けられました。

強い海外の女性にも育てられました。私を本番にいきなり放り出しては、実力不足で溺れそうになりながらも泳ぎきるまで鼓舞し、自信と、仲間を信じる力を身につけさせてくれました。

愛情の形は違えども、長短関係なく、各国の多様なお母さんたちとの言葉と時間の共有が、人生を生き抜く源となっていることを実感しています。

カーレーサー 井原慶子

@keikoihara

コメントを残す